第65回情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

 第65回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は、新型コロナウイルスの影響により、前回に引き続き、オンライン会議システムZoomを活用しての開催となりました。

 「算数科における個別最適な学び」と題して、東京学芸大学附属小金井小学校・加固希支男先生にご講演いただきました。

 加固先生は、経済学部を卒業後、一般企業で務められたご経歴があります。その後、小学校教員の免許を取得され、公立小学校の勤務を経て、現職に就かれています。『「個別最適な学び」を実現する算数授業のつくり方』等の書籍を発信されている他、個別最適な学びをテーマとしたセミナーにも複数ご登壇されています。

 本日のセミナーでは、まず、「個別最適な学びとは?」という疑問に対して、「主体的・対話的で深い学び」のための授業改善の方法の一つとして「個別最適な学び」があるという学習観の前提をお話してくださいました。また,個別最適な学びを構成する「指導の個別化」「学習の個性化」の2つの定義について加固先生のお考えを示してくださいました。

 加固先生は、個別最適な学びの目的として、「子供を育てる」という感覚よりも「人を育てる」という感覚をお持ちだとのことでした。「小学校、学校という環境に閉じた環境の中での理想的な子を育てようとするのではなく、将来大人になった時にどういうポテンシャルを持った人を育てるか」を考えるとコメントされていました。

 さらに、各教科等の特性を踏まえた個別最適な学びの指導については、「個別学習 対 一斉指導」という対立関係で捉えるのではなく、教師による指示を徐々に減らしていきながら、子供が学習形態や、学習方法を自己選択を促すことや、単元のはじめや、各教科の見方・考え方については一斉指導やICTで全体に共有することなど、子供を主語とした個別最適な学びの実現を目指すポイントについても教えてくださりました。
 また、深い学びを促すためには、教師が深い教材研究をしておくことや、児童理解に励むことが最も重要であるともお話されました。

 今回の連続セミナーも前回同様に、Zoomを用いたオンライン会議での講演とブレークアウトルームを駆使したディスカッションが行われました。その後の質疑応答タイムでは、子供に学習形態や学習方法を委ねる際に留意することや、教科書の使い方、加固先生の教育観など、多岐に渡って質問・議論が繰り広げられました。

 加固先生、この度はお忙しい中、貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。

 (メディア教育論ゼミOG・遠藤みなみ)

 

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