第34回 5月23日(金) 量子暗号・量子情報処理〜新しい通信と情報処理〜
林 正人(東北大学大学院情報科学研究科准教授)
『量子暗号・量子情報処理〜新しい通信と情報処理〜』
■講演内容
わたしたちの身の回りのものは、原子や電子、さらには、光の粒子である光子などの、波動性を
持つ粒子が結合して成り立っています。このような性質は量子性と呼ばれ、これまでの情報処理
では、量子性はその不可思議な性質から情報処理を乱すものとして避けられていました。しかし、
量子情報処理では、量子性を積極的に用いることで、これまで情報処理のパラダイムでは、実現
できなかった情報処理が可能となります。たとえば、量子性を用いた暗号である量子暗号では、
情報の流出そのものを防ぐことが可能であるため、どのような計算機が出現しても安全性が破られ
ることはありません。本カフェでは、量子暗号の原理について説明し、最近の量子暗号の研究につ
いて紹介します。
■プロフィール
林准教授は、これまで量子情報処理を専門に研究してきました。量子情報処理では、光の粒であ
る光子や電子などの量子性を持つ素子を用いて情報処理を行います。これまで、量子情報処理の
様々な性質を明らかにする研究を行ってきました。特に、不完全な素子を用いた場合でも量子暗号
の安全性を定量的に保証する理論を構築し、量子暗号の実用化に向けて貢献しています。
■詳細
http://cafe.tohoku.ac.jp/
http://cafe.tohoku.ac.jp/html/koen.html
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