今井 秀雄 准教授が総長教育賞と全学教育貢献賞を受賞
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この度大変栄誉ある賞をいただくことが出来ました。身に余る光栄であります。賞をいただくことが出来ましたのは、TAの仕事を引き受けてくれた大学院生達、全学教育に携わる事務の方々、そして何よりも私の授業を聞いてくれた受講生諸君のお陰であり、これらの方々に深く感謝いたします。 |
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今井 秀雄 准教授 |
私の担当する全学教育数学の授業は、一学期間に教える内容が定められています。従って授業
内容に工夫する余地はそれ程ありません。また授業の進め方も、他の教員と同じように黒板を使い、
定理や公式を黒板に書いて証明や説明を加えていくものです。OHPやプロジェクターを使うことは
殆どありません。板書した定理や公式を受講生諸君に書き写してもらうことが、数学の授業では
重要で、書き写すうちに係数や符号などの細部までが記憶され、その後の説明に納得して初めて
定理、公式が理解できるのです。どの科目でも、授業内容を理解するには集中力が要求されますが、
数学では公式を書き始めてから証明を納得するまで、1つの公式に思考を集中する必要があります。
授業の速さも公式を板書し説明するやり方が、受講生の思考速度に合うように思えます。OHPや
プロジェクターを用いて定理、公式を提示し、次の画面で前の画面に書かれた公式の証明をしても、
速すぎて理解できる学生は少ないのではないでしょうか。
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授業風景の様子 |
授業内容も、授業方法も工夫する余地の少ない数学の授業ですが、大学初年次の授業を担当する
に当たって、学生が理解可能な表現を用いることを私なりに心がけています。授業は(一方向ですが)
コミュニケーションであり、学生に授業内容を伝えることが目的であると考えれば、受講生に合わせた
表現を用いるのは当然なことのように思えます。しかし、普段自分の研究に没頭している大学教員に
とってこれは簡単なことではありません。もう1つ、なるべく授業終了前にその授業で解説した定理、
公式を用いる小テストをするようにしています。学生が真摯に受講するようになり、授業内容が伝わり
易くなるからです。
数学担当教員として数学が分かるだけでなく、数学の好きな学生が増えていくことを願っています。
いただいた賞に恥じないよう、これからも教育活動、研究活動に努力していく所存です。
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