東北大学 大学院情報科学研究科

本間尚文助教がトーキン科学技術振興財団研究奨励賞を受賞

 この度,財団法人トーキン科学技術振興財団の第18回(平成19年度)研究奨励賞をいただきました.
受賞のテーマである「2進数と非2進数を統合したVLSI システムの高水準設計技術の開発」は,学生時代より取り組んでいた研究を発展させたものです.このような栄誉ある賞をいただくことができましたのも,樋口龍雄名誉教授,青木孝文教授をはじめとする研究室諸氏ならびに平素大変お世話 になっている研究科の皆様のお陰であり,深く感謝申し上げます.

本間助教
     本間 尚文 助教
<受賞研究の概要>
近年,VLSI集積度の急激な向上に対して設計技術が追いつかない「設計の危機」 が顕在化しています.本研究では,複雑化するVLSIデータパス(算術演算回路) の設計問題を解決する新しい設計パラダイムとして,算術演算回路のハードウェ アアルゴリズム(算術アルゴリズム)の高水準な記述・検証・合成技術を提案し ています.その中心となる着想が,2進数と非2進数を統合した数系・数式に基づ く算術アルゴリズムの表現手法であり,提案手法は@算術アルゴリズムを整数方 程式により形式的に記述可能,A非2進数系を含む任意の重み数系を記述可能, Bアルゴリズムの正当性を数式処理により静的かつ高速に検証可能,C正当性の 証明された算術アルゴリズムを従来の論理式に等価変換可能などの特長を有して います.これまで,この表現手法に基づく算術アルゴリズム記述言語ARITHを提 案するとともに,その応用としてARITHに基づく算術演算モジュールジェネレー タを開発してきました.本ジェネレータは,1000種類以上の算術アルゴリズムを 自動生成可能であり,インターネット上から広く利用できます. 2004年に公開 以降,全世界から5万件を越えるアクセスがあり,世界各国の学会等で利用例が 報告されています.

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