東北大学 大学院情報科学研究科

教 授 井樋 慶一 Prof. K. Itoi
助 教 内田 克哉 Assis. Prof. K. Uchida
助 教 布施 俊光 Assis. Prof. T. Fuse

情報生物学
研究室番号:B07
Information Biology

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  脳は,感覚,運動,記憶,思考,情動など極めて多彩な機能に関与するが,これらに加え,血圧や体温の維持,摂食,生殖行為なども脳の重要なはたらきである.井樋研究室では,視床下部や脳幹部と呼ばれる脳部位の形態と機能を明らかにすることにより,生命維持と種の保存に不可欠な脳の仕組みを明らかにすることを目指している.
  ラットやマウスを用いた動物実験をおこなうのが研究室の特徴であり,そのための実験ツールとして,特定の神経細胞(ニューロン)が可視化できる動物や,ニューロン選択的に遺伝子不活化を行った動物を開発している.それらを用い,当該ニューロンの走行やほかのニューロンとの結合の仕方を検討し,あるいは、電気現象を計測することにより脳のはたらきの特性を明らかにすることができる.
  最近開発したコルチコトロピン放出因子(CRF)遺伝子蛍光可視化マウスは脳内ストレス応答メカニズムの研究に有用なツールである.現在このマウスを用いて,CRFニューロンを調節する神経性入力や,体液性調節因子に同定を行っているが,今後は視床下部における情報処理メカニズムの特性に迫って行きたいと考えている.

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図1. 糖質コルチコイド欠乏状態におかれたCRF-Venusノックインマウスの視床下部室傍核におけるVenus発現ニューロン(緑)とCRF発現ニューロン(赤)の分布.Venus発現ニューロンはほとんど全てCRFを発現する.インセット内は拡大写真.矢印はVenus/CRF共発現ニューロンを示す. III,第3脳室.Bar = 100 µm(インセット内は25 µm).

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図2. 上段:CRF-Venusノックインマウス視床下部室傍核のニューロンからの電気生理学的記録.ガラス電極(矢頭)をVenus標識ニューロン(矢印)に近づけ,ホールセルクランプを行った.Scale bar = 20 µm.下段:-60 mVに電位固定されたVenus発現ニューロンから記録した興奮性シナプス後電流の1例.

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