交通・通信ネットワークによって結ばれた個々の都市は、人・財・サービス・知識の移動を通じて、全体として有機的な「都市システム」を形成している。また、グローバル化、ボーダーレス化の急速な進展のもとで、都市、地域、国際経済は複雑に絡み合い、現代の都市システムは国を越えたグローバルな社会経済システムを形成しつつある。本研究室は、都市や産業の集積形成の理論を中心として、都市、地域、国際貿易などを対象とした空間経済の構造とダイナミックな変遷過程を解明し、都市・地域の経済発展の政策分析を行う。これらの問題に対し、都市経済学、地域経済学、国際経済学、ゲーム理論、ORなどの関連する分野を複合的に動員した、「地域科学」と呼ばれる学際的なアプローチにより研究を進める。現在の主なテーマは以下の通りである。
- 空間経済学の理論と応用
空間経済学は従来の都市経済学、地域経済学及び国際貿易理論を深化させ、生産における規模の経済・独占競争・輸送費の観点から特定の土地における産業集積と都市形成原因を理論的に解明し、さらに政策分析などの具体的な問題に応用する。
- ネットワークと立地
企業間の取引や人と人の繋がりといった経済・社会ネットワークや、交通などの空間ネットワークの構造を数学的に計測し、それらが様々な経済活動の集積とどのように関係するかについて、理論的・実証的に分析する。
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