本分野は,桑原研究室と井上研究室から構成されています.
桑原研究室は,渋滞・環境・災害などの諸問題の解決やより高度な交通体系を実現するために,観測データに立脚した研究を理論・実証の双方から展開しています.特に,時々刻々と変化する交通現象を“ダイナミック”に解析し,現象の本質を明らかにしていく点,情報が散在し十分に活用が進んでいない様々なセンサ情報を融合活用する点が特徴です.具体的には,従来の車両感知器に加え,GPSと通信機能を備えたプローブ車による情報等を融合する方法論を構築するとともに,実用的な研究へと展開しています.その例は,環境に優しい信号制御,交通需要管理,ITSなどの先進モビリティマネジメントの研究,それらの効果を評価するための交通シミュレーションの開発が挙げられます.さらに,東日本大震災後の交通・物流モニタリング,災害対策の設計・評価も手掛けています.
井上研究室は,時空間情報の解析・共有手法の開発に取り組んでいます.近年,国土や地域の過去から現在までを記録した詳細かつ膨大な情報が利用可能になりつつありますが,これらは市民が地域の将来像を議論し合理的な意思決定を下す上で基盤となる重要な情報です.当研究室は,時空間情報の処理手法開発を通して「情報に基づき市民が地域の現状を把握できる」環境の整備を目指し,より良い地域づくりへと貢献したいと考えています.
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