当研究室では、言語情報学研究室と一体となって、ヒトの言語能力とそれが生み出し得る表現形式について、理論とデータの両面から研究しています。特に、語の成り立ちと用法についての事実を観察・収集することにより、自立的な規則体系によって生成された語の統語構造・意味構造が、通時的にどのように変化してきたか、また、共時的にもレジスターの違いによってなぜ多様化し得るかについて解明することを目標としています。日本語と英語を中心に、世界の様々な言語や方言をデータとして扱います。
具体的には、次のような領域で研究活動をしていますが、言語教育や言語学習にも貢献できるような教育・研究姿勢をとっています。
1)形態論
文を構成する「語」、または、「語」を構成する最小の単位である形態素について、その音韻構造・意味構造・統語構造を解明し、理論的に可能な語とそうでない語を区別する。
2)語彙意味論
動詞・名詞・形容詞・接置詞(前置詞・後置詞)の意味構造を調査し、その基本的な鋳型とはどのようなものか、また、語彙情報のどの側面が統語構造に反映されるかを解明する。
3)史的統語論・歴史言語学・方言学
脳内文法の内的変化、または、言語接触などの外的変化によって、語の統語・形態・意味構造が通時的になぜ現在のような形に変化してきたか、なぜ現在あるような多様性が存在するのかについての仮説を立てるとともに、コーパスなどを用いて、その仮説の検証を行う。
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