東北大学 大学院情報科学研究科

教 授 瀬野 裕美 Prof. H. Seno

情報基礎数理学 IV
研究室番号:A04
Mathematical Structures IV

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 本研究室では、生命現象や社会現象の特性を科学的に議論するための重点を明らかにしたり、問題提起を行ったり、あるいは、研究の展開の礎となるような、数理的・理論的な生命現象・社会現象の研究のための数理モデリング,数理モデル解析を行っている。現象の如何なる理論的課題を取り上げるか、問題を如何に数理モデルとして構成するか、構成された数理モデルに関して如何なる数理的解析を行なうか、数理的な解析結果を如何に生命科学的・社会科学的議論として取り上げるか、ということが重要な観点となる。とりわけ、現象についての科学研究の目的の本質を捉える、できる限りシンプルな数理モデルの構築とその解析によってどこまでの議論が可能か、という視点で、数理モデルの数理的構造における合理性(現象に対する仮定と数理的構造の間の論理的整合性;数理モデリングの適切性)に関わる研究テーマに取り組んでいる。数理モデルは、確率過程、差分方程式系、微分方程式系などを応用した数理モデリングにより構築し、質的な議論を通して科学的な論点を明らかにするとともに、より発展的な数理的研究、現象分析により応用的な数理モデルの構成における基盤を提供することを目標として,ミクロからマクロまで広いスケールの生命現象や社会現象に視野を拡げて研究課題として取り上げている。

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図1.  不均一環境下における個体群存続性に関する拡散方程式モデルによる閾パッチサイズ問題.好適環境パッチのサイズが閾値Lcを超えていなければ,個体群が絶滅する可能性がある.



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図2.  パッチ状環境における移動分散を伴う個体群の存続性に関する数理モデルによる閾パッチ数問題.絶滅に瀕する個体群を救うためのパッチ環境改変に対しては,生息域におけるパッチ総数に応じた環境改変パッチ数の検討が必要である.

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