東北大学 大学院情報科学研究科

教 授 須川 敏幸 Prof. T. Sugawa
准教授 田中 太初 Assoc. Prof. H. Tanaka

情報基礎数理学 II
研究室番号:A02
Mathematical Structures II

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  本分野は、須川研究室と田中研究室から成り、それぞれ複素解析学と代数的組合せ論を研究している。データや関数が実数のみを使って表されている場合でも、それを複素数の範囲に拡張して考えると、それまで見えなかった豊かな構造が見えてくることがある。たとえば、実数列に関するモーメント問題では、その数列を係数に持つような冪級数(母関数)を複素解析関数として捉えることにより、別の様々なアプローチが生まれてくる。そのような際に複素解析学が威力を発揮する。須川研究室では、解析関数を幾何学的な側面から研究し、古典理論に現代的解釈を与えつつ、理論のさらなる深化をめざしている。また、近年、画像処理や脳科学の分野にも応用を見出しつつある擬等角写像の基本性質や数値的構成に関する研究も進めている。これらの知見に加えてコンピュータを援用しながら、タイヒミュラー空間、クライン群、複素力学系、フラクタルなどの最新のトピックに関する研究も行っている。田中研究室では、符号や組合せデザイン等の様々な組合せ的対象の研究を行っている。これらの対象の基礎空間はしばしば有限群の等質空間や距離正則グラフの構造等の強い対称性/正則性を持ち、自然に半単純代数が付随する。部分構造である組合せ的対象を、これらの代数の表現等の大域的情報を用いて解析する点が特色である。

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図1. リーマンゼータ函数の表現例:明度は絶対値、色相は偏角を表す。

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図2. HammingグラフH(5,3)の距離行列:色相はHamming距離を表す。

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