東北大学 大学院情報科学研究科

第5回「研究科長賞」受賞

岡本 正吾 さん
(応用情報科学専攻 博士課程前期2年の課程)




岡本さん
岡本 正吾 さん

受賞について


 映えある第5回「研究科長賞」をいただきましたこと,厚く御礼申し上げます.これも皆様の
寛大なご支援の賜です.

 さて,私事で恐縮ですが,この場を借りて私の研究内容と米国での修業体験について簡単に
述べさせていただきます.
 私はヒトとロボットの触覚に関する研究に従事しています.私の研究ではロボットアームなどを
用いた遠隔操作において,ロボットが対象物に触れたときに操作者があたかも自分で触れたか
のように「ざらざら」・「ふんわり」といった多様な触り心地を感じることを可能にする技術の開発を
行っております.以下に私の実験装置の概念的な図を用意しました.課題は如何に多様な触り
心地を,通信に遅れがある環境下でも自然に伝えられるかどうかです.これを実現するために,
触感情報を複数の因子に分解し,操作者の触り方に応じて触刺激を再合成する方法を提案して
います.この方法により,操作者の運動に矛盾のない触感を生成できます.これまでにこの方法
を用いて,遠くのものに触れたときの粗さ感を伝達できるようになってきました.この技術が発展
すれば,ロボットを通じてどんなものにも触れられる時代がやってくるかもしれません.

line
図

line
 話は変わりまして,私は幸運にも在学中にワシントンD.C.郊外にある米国標準技術研究所にて
修業経験を積む機会を頂きました.今後の人生に厚みを増すような得がたい経験が得られたことに
感謝しております.
 多くの学生にとって,前期2年の課程に海外への長期渡航を行うことは困難であることが事実です.
応用情報科学専攻にはこれを支援する目的で,長期インターンシップ研修制度というものがあります.
この制度を用いれば,学生は2年という限られた間に学業・研究・長期インターンシップを行うために,
個人の事情にあった要求を専攻に出すことが可能です.また,専攻はそれらを受け入れる姿勢を
示しています.このような発展的で自由な制度では,より多くの前例をつくることが重要です.今後,
多くの学生がこの制度を利用し,学生に有利な前例を育てていただきたいと思います.


footer