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第5回「研究科長賞」受賞
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橿渕 健一 さん
(応用情報科学専攻 博士課程前期2年の課程)
■受賞の感想
この度は、研究科長賞という大きな賞を頂き、非常に嬉しく思います。学部3年の終わりに
研究室へ配属されてから早3年、自分なりに研究に励んできたつもりですが、このような賞を
頂けるとは思ってもいませんでした。これも、加藤教授をはじめとする先生方や諸先輩方の
ご指導・ご助言のおかげであり、深く感謝しております。また、いつも自分の家にいるかのご
とく居心地の良い雰囲気を醸し出してくれた研究室の同輩、後輩にも恵まれました。これまで
支えてくれた家族にも感謝しています。本当にありがとうございます。後期課程へ進学するため、
これからも皆様にはお世話になると思いますが、今回の受賞に恥じぬよう、心新たに一層の
努力をしてまいりたいと考えています。
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■研究内容
近い将来、モバイルネットワークのさらなる普及とそのブロードバンド化により、いつでも・
どこでも・移動中でも快適なインターネット接続環境を手に入れることが可能になると予想され
ます。そのため、光ファイバやADSL等による一般家庭のインターネット接続環境のブロードバン
ド化がそうであったように、モバイルネットワークの普及・ブロードバンド化は、音楽や動画といった
マルチメディアコンテンツの配信サービスへの需要をさらに高めるものと考えられます。
マルチメディアコンテンツの配信形態は、データファイルを全てダウンロードしてから再生する
方式(ダウンロード型)とダウンロードしながら逐次再生する方式(ストリーミング型)に分類され
ますが、モバイルネットワークにおいてリアルタイムストリーミング配信を行う場合には、ハンド
オーバの発生が大きな問題となります。ハンドオーバとは、ノートパソコンや携帯電話といった
移動端末が接続する基地局を切り替えることであり、ストリーミング型配信ではハンドオーバ中
のデータの欠落により音声や映像が乱れたり、途切れたりします。加えて、無線LANから携帯
電話網へのハンドオーバのように、ハンドオーバ前後で利用可能な帯域幅が変化する場合には、
ハンドオーバ直後に新しいネットワークに適したストリーミングレートへ調節することが困難であり、
ストリーミング品質が低下します。移動先ネットワークにおいて、他のユーザのトラフィックに悪影響
を及ぼす可能性もあります。
本研究では、ハンドオーバの発生を考慮するとともに、低優先度で転送されるパケット(ダミーパ
ケット)を利用してハンドオーバ後におけるユーザの利用可能帯域幅を効率的に推定することで、
移動先ネットワークの状況に応じたストリーミングレートへ調節し、スムーズハンドオーバを実現
する手法を提案しました。本研究の成果は、モバイルネットワークにおけるマルチメディアコンテンの
リアルタイムストリーミング配信の品質向上に寄与するものと考えています。
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