トップページ > 在学生の現状 > 学生の受賞 > 市川 禮子
第6回「研究科長賞」受賞
|
市川 禮子 さん
(応用情報科学専攻 博士課程後期3年の課程)
■受賞について
平成16年から4ヵ年、飛田 渉教授のご指導のもとに情報科学研究科に席を置かせていただきました。
研究テーマは「看護における地域看護の特性とその構造化に関する研究」で、自分が長年抱えていた
「保健師活動(地域看護)とは何か」という問いを究めることでありました。
保健師活動の歴史、法制度、住民の健康課題と社会生活の変化をベースに、自己と他の保健師活動記録を分析して、その活動を起動させている要素を表出し、保健師活動の全体構造を組み立てる研究に取り組みました。
大正12年の関東大震災時に行われた有識者による被災地の医療社会事業、即ち地区活動を保健師活動の起点とすれば、平成20年の今日まで保健師活動は85年の歴史があります。
保健師は昭和16年に日本の戦時体制下で身分法が定められ、自治体に所属する公の立場で歩み、激変する時代の中で行政の最先端役割を担いながら、自己活動の理論的足場を築き得ないまま時代変化の中で揺らぐ存在で歩んで来ました。
保健師活動は看護の専門領域であり、一定の地区を担当し、そこで生活をする人々の求めに応じ、またその必要を察知して能動的包括的に健康と福祉を重ねた日常生活支援をします。
公施策の浸透、健康問題の反映、自己ケア技術の実施、間隙の補填など地域の健康問題に対しベストの判断をする自己裁量権により、住民の健康生活のセーフティネットの役割を有します。
本研究では、分散していた保健師活動の沢山のピースをモザイク化し、それを繋げる保健師活動の起動要素とその全体像を学問の場で明らかにさせていただきました。
この度の学位授与と学科長表彰は、私個人のみならず広く日本の保健師活動の在り方に対する認知と評価であり、今後の発展への大きな励ましであると受け止めております。ご指導を下さった先生と皆様に深く感謝を申し上げます。
|
|