東北大学 大学院情報科学研究科


第53回情報科学談話会line


日     時: 平成26年1月9日(木) 17時〜

場     所: 情報科学研究科棟2階 大講義室

話     題: 情報通信ネットワークの現在と未来

話題提供者: 西山 大樹 准教授
         (応用情報科学専攻 応用情報技術論講座 情報通信技術論分野)

概     要: 
   西山氏の講演は研究室の5つのリサーチグループの紹介から始まりました。古い方から順に, RG1「衛星航空通信ネットワーク」, RG2「端末間ネットワーク」, RG3「ネットワークとサービス」, RG4「無線と光のネットワーク」, RG5「ネットワークとエネルギー」となっています。さらに, それぞれについて聴衆にわかりやすく画像を用いて説明されました。RG1 に関連して, 福島の原発危機の際に衛星よりも米国の無人航空機ネットワークが役に立ったことを述べられました。RG1 では, 複数機の無人飛行機をもちいたネットワーク構築の研究をされています。RG2 について, 通信基地局を必要としないので, 通信事業者には好まれないが, 基地局が使えない非常時に有効であることを説明されました。実際, 氏の研究の「スマホdeリレー」でスマホによるアドホックネットワークによってメール通信が可能であることを実証した仙台市内での実験の様子の動画を紹介されました。RG3とRG4に関して, 最近のビッグデータの状況に既存のネットワークの許容量が追いつかない状況が近い将来にやってくることを説明され, 限られたネットワークをどのように利用するかという視点が重要であることを述べられました。実際, 過度の情報量により光ファイバーが断線することがわかっているとのことです。RG5について, ソーラーパネルによりバッテリー駆動の基地局を配置し, 外部電源に頼らないネットワークの構築の研究を紹介されました。ネットワーク機器の省電力化の問題に関連して, 各家庭にある光ファイバーの ONUという光回線終端装置の消費電力も全家庭の消費電力を積算すると大きいことを述べられました。

   日頃何気なく利用しているネットワークに様々な問題があることを知ることができ, 門外漢にとってとても新鮮な講演でした。講演後もいくつかの質問に丁寧な応答があり聴衆にとってとても有意義な時間でした。

談話会の様子

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