東北大学 大学院情報科学研究科


第43回情報科学談話会line


日     時: 平成23年10月20日(木) 17時〜

場     所: 情報科学研究科棟2階 大講義室

話     題: 津波被災地の復興と女性の参画
                  ―岩手県陸前高田市でのフィールドワークを通して見えてきたもの―

話題提供者: 牧野 友紀 助教
         (人間社会情報科学専攻 社会政治情報学講座 社会構造変動論分野)

概     要: 
 第43回情報科学談話会は、人間社会情報科学専攻の社会構造変動論分野の牧野友紀助教に、「津波被災地の復興と女性の参画 ―岩手県陸前高田市でのフィールドワークを通して見えてきたもの―」と題してお話し頂いた。3/11の震災は、青天霹靂の大災害であった。震災とそれが引き起こした津波災害により東北の太平洋沿岸を中心に、未曾有宇の人的・物的被害がもたらされた。この災害は、人間の科学技術に対する過信を戒めるとともに、甚大な被害からどのようにすれば復興することができるのかについて、我々に大きな問いを投げかけているといえる。こうした状況で、牧野先生には、先生が震災前から陸前高田市で取り組んでおられたフィールドワークを震災後も継続する中で、自分達も被災しながらも自発的に復興に向けて果敢に取り組む女性達の活動をリポートしていただいた。特に津波による浸水被害をまぬがれた陸前高田市の横田地区の女性達は、震災以前に培っていた「地域づくり」の人的ネットワークを生かして、他地区の住民だけでなく、県外から災害援助に訪れた他の市町村の職員やボランティアに対して自発的に炊き出しを行うなど、自発的な下からの災害支援活動がみられた。こうした活動は、災害という非常事態に対して人間が柔軟に対応する能力を有することを示すモデルケースとして、談話会の参加者に感銘を与えた。
 参加者からは、こうしたフィールドワークを今後も継続する中で、大災害という擾乱を受けた社会がその構造をどのように変化させてそれに立ち向かっていくのかを継続して追跡調査していただきたいとするコメントが寄せられた。

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■話題提供者:
牧野 友紀 助教 1
  ■話題提供者:
牧野 友紀 助教 2
牧野 友紀 助教 1 牧野 友紀 助教 2

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