東北大学 大学院情報科学研究科


第34回情報科学談話会line


日     時: 平成21年6月18日(木) 午後5時30分〜午後7時10分

場     所: 情報科学研究科棟2階 大講義室

参  加  者: 約25名

話     題: フィボナッチ数列や非線型波動がつむぐ世界

話題提供者: 久保 英夫 教授 (情報基礎科学専攻 情報基礎数理学V分野)

概     要: 
  波動現象は,水面波はもとより,音,地震,電磁波,光など自然界や技術の分野で広く見られ,その解析は理論上も実用上も非常に重要です.一般的に波は重ね合わせの原理に従うことが知られていますが,これはモデルとなる波動方程式が線型であることに対応しています.理想状態においてはこの原理は正しいのですが,媒質は通常,様々な物理的制約を受けており,いくらでも自由に振動できるわけではありません.したがって非常に大きな振幅を持つ波同士の場合は重ね合わせの原理が必ずしも成り立たず,そのような現象を扱うためには非線型の波動方程式を考察する必要が生じます.久保教授はその方面におけるエクスパートです.
 今回は重ね合わせの原理が成立する簡単な例として,まずフィボナッチ数列の話から始め,多くの自然現象にフィボナッチ数列が現れることや,その隣り合う項の比の極限として現れる黄金比が話題に取り上げられました.
 続いて,波動現象について話が移り,最新のレーザー光技術や水面波の特異現象などに話題が及びました.講演終了後は,活発な質疑応答が行われました.
 今回の講演では難しい数式がほとんど使われなかったので,数学を専門にしていない人にもわかりやすい講演でしたが,数学以外の方の聴講が比較的少なかったのが少し残念でした.

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■須川教授より講師紹介   ■話題提供者:
  久保 英夫 教授 1
須川教授より講師紹介 久保英夫教授
■聴衆    ■久保 英夫 教授 2
聴衆 久保英夫教授

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