日 時: 平成21年1月15日(木) 午後5時30分〜午後7時10分 場 所: 情報科学研究科棟2階 大講義室 参 加 者: 約25名 話 題: 数列の解析と複素解析学 話題提供者: 須川 敏幸 教授 (情報基礎科学専攻 情報基礎数理学U分野) 概 要: 実数だけを使って表わされたデータや函数を複素数の範囲にまで拡張し、捉え直すことによって生まれてくる新しい様々なアプローチから函数やその土壌となる領域や面を研究する複素解析学を専門になされている須川教授は、数学の基本概念の一つである数列に関する問題を函数に関する問題として読み換え解くことを可能にしてくれる母函数が複素解析学の研究対象としている正則函数の一つであるということから、複素解析学が正則函数に関して得た知見から数列に関する有用な情報を引き出せる可能性があるということを述べられた後で、ハウスドルフのモーメント問題を取り上げ、複素解析学がその母函数を複素解析函数として捉えることによってその問題に対してどれほど威力を発揮するのか例示されるとともに、その応用として御自身のなされている最近の研究の一部を紹介されました。須川教授はかなりわかりやすく話されたようですが、それでも数学にあまり縁のない参加者には少し難しすぎたようで、質疑応答は主に数学関係の参加者との間で交わされました。