第40回情報科学談話会
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日 時: 平成22年11月18日(木)午後5時00分より
場 所: 情報科学研究科棟2階・大講義室
話題提供者: 桑原 雅夫 教授
(人間社会情報科学専攻 人間社会計画学講座 空間計画科学分野)
話 題: 流れの観察と評価
概要:
今回は、車の流れの観察に用いられる様々なセンサーの特徴とそれによって計測
できる交通の流れの解析技術を概観し、更に、センサー情報を融合した交通流の
ナウキャスト及びフォアキャスト技術の構築についての議論がテーマでした。
まず、交通状況を把握するための効果的な方法として、二点における車両感知器
の情報を時間と累積台数のグラフとして表す累積図を用いた解析手法が紹介され
ました。また、二点間の途中の状況の把握を目的として開発されたセンシング技
術である車番読み取り装置や画像センサー、光ビーコンなどの長所・短所につい
て解説がありました。より現実的な手法として、プローブ(探針)車両を導入し、
そこからの情報を加味して推定すると、その精度が改善される事についても紹介
がありました。
後半では、道路の区間や面的に広がる地域全体の流れを観察する方法について、
交通シミュレーションモデル等の解析ツールの紹介も交えながら、いくつかの
手法について解説がありました。問題点として、データの共有が進んでいない、
プローブ・サンプルが少ない、パラメータのチューニングを手動で行っている
事などが挙げられました。こうした問題点を分野横断的な活動を通して克服し、
総旅行時間を最小化する技術の展開の重要性を強調しておられました。
とても身近なテーマである交通の流れについて丁寧に講演して頂いた事もあり、
分野外の方にも親しみやすいお話で、皆さん興味を持って聞いて下さったよう
です。終了後の質疑応答でも多くの質問や討議があり、活発な意見交換がなさ
れました。 |
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