第73回情報科学談話会のお知らせ(2018年12月6日開催) 宗政 昭弘 教授「球⾯上の配置と符号理論」・井之上 直也 助教「計算機にも議論ができるか」

 
日時 2018年12月6日(木) 16:30~18:30
場所 情報科学研究科棟2階・大講義室
話題提供者 宗政 昭弘 教授
井之上 直也 助教
提供者所属 宗政 教授:情報基礎科学専攻 情報基礎数理学I分野
井之上 助教:システム情報科学専攻 情報伝達学分野
話題 宗政 教授「球⾯上の配置と符号理論」
井之上 助教「計算機にも議論ができるか」
概要 地球の平均気温はどうやって測るの︖という質問に、気象学者による実務的な答えをとは対照的に、数学者は「地球はほぼ球だとして各地点に対してその気温を対応させる実数値関数を球⾯上で積分し、表⾯積で割る」と(理論的には正しいが)⾮実⽤的な答えを返すでしょう。
この理論と実⽤を埋めるのに必要なのが、球⾯全体を近似する有限集合の理論、より⼀般的にはデザイン(計画、または配置)理論と呼ばれる数学の⼀分野です。球⾯を⾼次元に⼀般化すると、球⾯を⾼次元⽴⽅体に置き換えた直交配列の理論にたどり着きますが、その双対が情報通信に使われる符号理論であることが1970年代にDelsarteによって明らかにされました。
本講演ではこれらの背後にある数学と最近の研究について紹介します。(宗政 教授)

⼈間の知的活動の⼀つに「議論」があります。我々は、交渉、意思伝達、発想といったさまざまな場⾯で議論をします。では、近年賢くなったと⾔われる⼈⼯知能にも、我々の論述が理解できるでしょうか︖また、論述に対して賛成・反対意⾒を述べたり、論述の良し悪しを評価することができるでしょうか︖
本発表では、近年注⽬を浴びてきている、計算機による「議論」の⾃動解析(Computational Argumentation, Argumentation Mining)に関して話題提供をいたします。世界的な最新の研究動向について、研究室内の研究事例を交えながらいくつか紹介したいと思います。(井之上 助教)