第82回情報科学談話会のお知らせ(2022年6月30日開催) 川端 猛 特任准教授(研究)「タンパク質立体構造データのインフォマティクス」・髙橋慧智 助教「なぜPCを並べただけではスパコンをつくれないのか」

 
日時 2022年6月30日(木) 15:00~17:00
場所 Google Meetによるオンライン開催
話題提供者 川端 猛 特任准教授(研究)
髙橋 慧智 助教
提供者所属 川端 猛 特任准教授(研究):応用情報科学専攻 生命情報システム科学分野
髙橋 慧智 助教:情報基礎科学専攻 高性能計算論分野
話題 川端 猛 特任准教授(研究)「タンパク質立体構造データのインフォマティクス」
髙橋 慧智 助教「なぜPCを並べただけではスパコンをつくれないのか」
概要  タンパク質は、多数のアミノ酸が連なった柔らかな分子であり、アミノ酸の組成や並び方によって、さまざまな形状・機能を持つ。天然の球状タンパク質は、水中で一つのコンパクトな形に折りたたまる。その立体的な形状は原子レベルの分解能で実験的に決定可能であり、決定された立体構造データ(原子モデル;原子中心のXYZ座標群)は1970年代からProtein Data Bank(PDB)によって収集・無料配布されている。こうした立体構造データは、構造や機能のメカニズムについて豊富な示唆を与え、創薬やワクチンの設計にも役立っている。立体構造データを扱う情報処理技術は、構造バイオインフォマティクス(structural bioinformatics)などと呼ばれたりした。近年は、クライオ電子顕微鏡法の進展、深層学習による高精度な立体構造予測法の出現により、転換期を迎えている。本発表では、これまで私が開発に関わってきた立体構造データを利用するための情報科学的な手法(立体構造比較プログラムMATRAS、最大共通部分グラフによる化合物の比較プログラムKCOMBU、モルフォロジーによるタンパク質の結合ポケット形状の同定プログラムghecom、混合正規分布モデルを用いた重ね合わせプログラムgmfitなど)の紹介を通じて、この分野のこれまでと今後について報告したい。(川端 猛 特任准教授(研究))

 フィクションの中で、多数のPCを接続し「スーパコンピュータ」をつくる場面が描かれることがあります。しかし、現実にはこのように多数のPCによって実用的なスーパコンピュータを構成することは困難です。その理由の1つは、高い計算性能を実現するためには、スーパコンピュータの構成要素の間で膨大なデータを迅速に移動するためのデータ移動性能が不可欠であることにあります。
談話会では、スーパコンピュータにおけるデータ移動に注目し、計算ノード間を相互接続するネットワーク技術と、計算結果を蓄積するためのストレージ技術について、最新の研究動向を紹介します。(髙橋 慧智 助教)

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