東北大学、 ソフトバンクと量子コンピュータを用いた無線通信環境の最適化に関する共同研究を開始

 国立大学法人東北大学(所在地:宮城県仙台市、総長:大野英男、以下「東北大学」)は、ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川潤一、以下「ソフトバンク」)と量子コンピュータを用いた無線通信環境の最適化に向けた共同研究を、2023年12月に開始しました。
 

■共同研究について
量子コンピュータは、従来のコンピュータ(以下「古典コンピュータ」)と異なり、量子ビットという特殊な情報の単位を用いて計算を行います。量子ビットは、古典コンピュータのビットとは重ね合わせの状態をはじめ、異なる性質を持っています。この性質を利用することで、古典コンピュータでは実用的時間以内に解くことが困難とされているような、複雑で大規模な問題を効率的に解くことが期待されています。特に、パズルのような組合せ最適化問題を解く手段として、量子アニーリング技術※が注目されています。

東北大学は、ソフトバンクと量子コンピュータを用いた無線通信環境の最適化に関する共同研究を行います。無線通信では、一つの基地局に多数のデバイスが接続され、基地局も多く設置されています。一般にデバイスは多数あり、それらの接続先候補となる基地局も複数あります。どのデバイスをどの基地局に接続すれば、最適な無線通信環境が実現できるかは、重要な課題の一つとなっており、そのための最適で効率的な計算が必要とされています。
この課題は組合せ最適化問題を考えることで解くことが可能です。しかし、デバイスや基地局の数が増加するほど組み合わせパターンが増え、解くことが困難になると予想されています。そのため、量子アニーリング技術の活用を始め、古典コンピュータと量子コンピュータのハイブリッド計算による新しい解決手段の提案が期待されています。

 東北大学大学院情報学研究科 大関真之教授は、ソフトバンクとの共同研究を通して、量子コンピュータを用いて、このような大規模な組合せ最適化問題を解くことで、無線通信環境の改善における量子コンピュータの有用性の実証を目指します。
 

※ 組合せ最適化問題を解くための量子アルゴリズムの一つ。

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問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院情報科学研究科
教授 大関真之
TEL: 022-795-5899
E-mail: mohzeki*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
 

(報道に関すること)
東北大学情報科学研究科広報室
E-mail: koho*is.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)