慶應義塾大学理工学部と量子コンピューティング分野での連携協定を締結

東北大学大学院情報科学研究科は慶應義塾大学理工学部との間に量子コンピューティングを中心とした情報科学の基礎と応用研究に関する連携協定を締結しました。本協定のもとで、東北大学大学院情報科学研究科量子アニーリング研究開発センター(リーダー・大関真之准教授)と慶應義塾大学先導研究センター・量子コンピューティングセンター(センター長・山本直樹教授)の連携を深め、その活動を両大学内にて水平展開しながら他機関との学術連携につなげます。

 

東北大学大学院情報科学研究科量子アニーリング研究開発センター(T-QARD)は、量子アニーリング技術の基礎研究ならびに社会実装に向けた応用研究を目的として平成29年11月に設置された研究科重点プロジェクトで、現状唯一の商用量子アニーリングマシンであるD-Wave Systems社(以下敬称略)が開発したD-Wave 2000Qを利用した研究開発を行う日本初の大学研究機関としてスタートし、10社以上の企業との共同研究を通して、量子アニーリングという新しい計算技術の実社会への応用を深めています。これらの量子アニーリングの社会実装の経験の蓄積を通して、量子アニーリングそのものの理学的側面の理解の深化だけではなく、既存の数理最適化アルゴリズムとの融合フレームワークの開発にも取り組んでいます。


慶應義塾大学は、ゲート方式のIBM 量子コンピュータ「IBM Q」の最新版にアクセスできる日本唯一のIBM Q Network Hubとして、新しい量子アルゴリズムの開発や既知の量子アルゴリズムを効率よく実装する手法をメンバー企業とともに開発をしています。


本連携によって、アニーリング方式とゲート方式の協調を推進し、量子コンピューティング活用の研究を包括的に進めることを加速します。