純粋・応用数学研究センター情報数理談話会 (2026年11月11日開催)のお知らせ
[概 要]
微分方程式とそのモノドロミーを結ぶ Riemann-Hilbert 対応は,平坦接続と局所系という,解析と位相の二つの記述を対応させる.超平面配置の補空間では,各超平面の定義方程式から自然に対数形式が得られる.与えられた局所系を,これらの対数形式の定数行列係数の線形結合で表される接続によって実現できるかという問題は,自然かつ応用上も重要である.この具体的な形での実現を求める問題は, 一般の Riemann-Hilbert 対応だけでは解決されず,本研究の動機の一つとなっている.一方,この形の接続の可積分条件は,配置に付随する holonomy Lie 代数の関係式として表され,その表現論が自然に現れる.本講演では,中間畳み込みの理論を通して,これらの位相的・解析的・表現論的な側面が結びつく様子を説明する.
Katz が局所系に対して導入した中間畳み込みは,Dettweiler-Reiter によりFuchs 型常微分方程式の代数的変換として記述され,原岡により超平面配置に沿う対数的接続へと拡張された.本講演の中心は,これらの代数的変換をLie 代数ホモロジーによって定式化し,Lie 代数の表現に対する中間畳み込みとして統一的に理解する構成である.自由 Lie 代数や Drinfeld-Kohno Lie代数を基本例として,その構成と性質を説明し,組紐群の表現を構成する Long-Moody 関手の無限小版との関係にも触れる.
さらに,超平面配置の補空間上の局所系に対する中間畳み込みを紹介し,留数の固有値に関する条件のもとで,対数的接続および Lie 代数の表現に対する変換との整合性を述べる.この対応が,冒頭に述べた局所系の実現問題を考えるうえでどのように役立つかについても説明する.なお,局所系に対する中間畳み込みと実現問題に関する部分は,安達駿弥氏との共同研究に基づく.
イベント概要
| 題 目 | 超平面配置に付随する対数的接続,Lie 代数のホモロジー,そして中間畳み込み |
| 日 時 | 2026年11月11日(水) 16:30 -- 17:30 |
| 開催場所 | 東北大学大学院情報科学研究科棟2階大講義室 |
| 講 演 者 | 廣惠 一希 氏 (千葉大学大学院理学研究院数学・情報数理学研究部門) |
| 備 考 | 11月9日(月)--13日(金)に集中講義も行われます |
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