第42回統計科学セミナー(2026年4月22日開催)メタアナリシスにおける公表バイアス問題への選択モデルの 応⽤:臨床試験レジストリデータに基づく最近の進展

講演概要:

メタアナリシスとは、同じ研究テーマに関する複数の研究から得られたエビデンスを統 合するための統計的⼿法である。単⼀研究と⽐較して、より信頼性と精度の⾼い結果を 導くことが可能であり、そのため医学、⼼理学、教育学など多くの分野で広く⽤いられ ている。しかしながら、その結果の妥当性は、公表バイアスによって脅かされることが ⻑らく指摘されてきた。公表バイアスとは、統計的に有意な結果を⽰す⼤規模研究ほど 出版されやすいという現象であり、その結果、観測される研究は⺟集団から選択された 標本に偏ることになる。この問題に対処するため、治療効果の推定において潜在的な選 択的出版過程を考慮する、さまざまなパラメトリック選択モデルに基づく⼿法が提案さ れてきた。しかし、観測可能なのが公表済みの研究のみであるため、これらの⼿法は複 雑な感度分析に依存せざるを得ない。最近の研究により、臨床試験登録制度を活⽤する ことで未公表研究を特定し、⼀般的な⽋測データ問題における完全データと同様に、研 究⺟集団を把握できることが⽰された。これにより、公表バイアスの問題が通常の⽋測 データ解析の枠組みで取り扱うことが可能となり、感度分析に依存しない安定した推定 が実現されるとともに、研究間異質性のより妥当な評価も可能となる。本セミナーで は、臨床試験レジストリの情報を⽤いて、さまざまなパラメトリック選択関数に対処す る⽅法と、その最近の研究動向について紹介する。

 
 

イベント概要

題目 メタアナリシスにおける公表バイアス問題への選択モデルの応⽤:臨床試験レジストリデータに基づく最近の進展
日  時 2026年4月22日(水)16:30 - 17:30
開催場所東北大学大学院情報科学研究科棟2階大講義室
講 演 者 黄 傲(Huang Ao)特任助教 (東北大学 大学院情報科学研究科 統計数理学分野)
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