ブレインファンクション集積学

応用情報科学専攻

ブレインファンクション集積学 D10 Brain-Function Integrated System

  • 堀尾 喜彦 教授 (Prof. Yoshihiko Horio)      
研究キーワードブレインモルフィックコンピューティング、脳型集積回路、複雑ダイナミクスによる情報処理、意識・無意識過程、複雑系、カオス、非線形集積回路

ブレインモルフィックコンピューティングの創成と実装

我々の脳は、非常に複雑ではあるが一定の構造を持った夥しい数の神経細胞から成るネットワークから構成されている。この大規模な物理・化学系による高度な情報処理は、デジタル計算機とは全く異なる原理で行われている。


本研究室では、脳のアーキテクチャに学んだ「ブレインモルフィックコンピューティング」パラダイムを創成し、それを脳型コンピュータとして実現するための研究を進めている。特に、複雑な神経ネットワークによる物理的な高次元複雑ダイナミクスに基づく「動的プロセスによる情報処理」を、アナログ集積回路を核とした計算システムとして実装する。そのため、高次元カオス結合系や大規模複雑系集積回路実装技術、超低消費電力非同期パルスニューラルネットワーク集積回路構成技術、最先端ナノデバイス、特にスピントロニクスデバイスによるニューロンやシナプス実装技術など、脳型コンピュータハードウェア実現のための基盤技術の開発を行っている。これと同時に、メモリとプロセッサーが一体化し、学習と記憶が同時に進行する、超並列脳型コンピュータアーキテクチャについても研究を進めている。また、相反する多様性と一貫性が共存できる複雑ダイナミクスにより低レベルの意識過程を工学的に実現することにより、自己を持つ自律的で人にやさしい脳型コンピュータの実現も目指している。