身体性知能ロボット学

応用情報科学専攻

身体性知能ロボット学 D03 Embodied Intelligence and Robotics

  • 昆陽 雅司 教授 (Prof. Masashi Konyo)      
研究キーワードハプティクス、触覚ディスプレイ、触覚センサ、体感メディア、身体性、遠隔操作、レスキューロボット、技能伝承 バーチャルリアリティー、臨場感、五感コミュニケーション

身体と知能の融合が、ロボットとコミュニケーション の新たな可能性を開く

「体感する」という言葉に表されるように、触覚は私たちが臨場感を得たり、技能を理解・習得する上で欠かせない感覚です。ハプティクス(Haptics)は、この触覚に関わる科学と技術を扱う学際的な分野であり、神経科学や認知心理学から、機械工学、電子工学、情報科学に至るまで、幅広い領域と密接に関係しています。
 今日では、スマートフォンや自動車、VR デバイスといった身近な製品にも触覚提示技術が組み込まれており、触覚は私たちの生活と情報体験を豊かにする重要な役割を担っています。ロボットにおいても、接触検知や器用な把持、遠隔操作といった高度なタスクの実現には、触覚センシングや触覚による支援が欠かせません。
 本研究室では、人の触覚の仕組みを明らかにしながら、それを応用した新しい触覚技術の創出に取り組んでいます。たとえば、臨場感や直感性を高める体感インタフェース、多様な触覚提示装置、触覚信号の処理と定量化技術、ロボット用の高性能な触覚センサやリモート操作技術などを開発しています。
 具体的には、触覚体験を記録・共有するAR システム、スマートフォンで利用可能なリアルな触覚配信技術、技能伝承を支援するシステムなどを開発しています。また、ロボットを遠隔操作する際に、操縦者に接触情報をフィードバックし、まるで自分の身体のように感じられる「身体性の一致」を実現する研究も進めています。