論理分析学

人間社会情報科学専攻

論理分析学 C17 Philosophy of Logical Analysis

  • 大森 仁 准教授 (Assoc. Prof. Hitoshi Omori)      
研究キーワード真矛盾主義、非古典論理、矛盾許容型論理、多値論理、様相論理

論理学と哲学

 本研究室では、論理学を特に哲学との関連から研究しています。

 哲学がどのような学問であるか、という問いは、それ自体哲学の問題となるところですが、仮に「種々の対象に対して、一般性の高い観点から、意味付けを試みる学問」であるとします。このとき、意味付けの際に従わねばならない前提については、多くの場合問われることもありません。例えば西洋の哲学においては、アリストテレスによって定式化された排中律及び無矛盾律を暗黙のうちに認める立場が圧倒的多数を占めています。しかし、中には排中律や無矛盾律を批判的に見直す立場もあります。例えば、数学の哲学における直観主義は、排中律に対して真っ向から挑み、哲学に留まらず、数学や情報科学にも大きな影響を与えています。

 論理学と哲学の関係もまた哲学の問題となるところですが、私は論理学の一つの重要な役割に、上で触れた意味付けに際しての前提を反映することが含まれると考えています。そしてこれまでの研究においては、無矛盾律に対して真っ向から挑む真矛盾主義 (Dialetheism)の立場の可能性と真矛盾主義の形式的な側面を支える矛盾許容型論理 (Paraconsistent logic)に焦点を当ててきました。

 論理学の話題は尽きません。無矛盾律に関する話題はもちろん、排中律に関する話題などを、哲学だけでなく数学や情報科学などにも目を向けながら、論理学をともに愉しく学んでゆきましょう。