政治コミュニケーション論
人間社会情報科学専攻
政治コミュニケーション論 C08 Political Communication
研究キーワード因果推論、歴史政治経済学、政治参加、コミュニティ
社会の謎を解き明かす因果推論の最前線
当研究室は、政治コミュニケーション論という分野にとらわれず、社会科学全般にわたって政治・経済・社会の因果関係を探究しています。特に、政策や社会現象の効果を定量的に測定するため、観察データを用いた準実験的な因果推論に力を入れています。研究テーマは、地域コミュニティにおける人々のつながりや選挙制度、政治参加など、多岐にわたります。
最近、特に注力しているのが「歴史政治経済学」と呼ばれる分野です。これは歴史的事象を自然実験として扱い、政治・経済における因果関係を明らかにする研究です。文化や歴史制度など、通常の計量分析では測定が困難な要因についても、史料や地理情報をデジタル化し、因果推論によって分析しています。
例えば、第二次世界大戦中の東京大空襲をソーシャル・キャピタル毀損の自然実験とみなし、現代の町内会の組織率や社会経済指標への影響を調べました。この研究では、歴史的航空写真を活用し、ミクロレベルでの被害状況を精密に分析しています。また、携帯電話の位置情報データを用いて有権者の投票行動を検出し、投票所までの距離と投票率の関係を分析するなど、最先端のデータと政治学を融合させた研究も進めています。
本研究室は、政治学専攻の学生に限らず、社会科学における因果推論や政策評価、地域社会や歴史的文脈に関心のある意欲的な学生を歓迎します。多様な視点と手法で社会科学の挑戦的な研究に共に取り組みましょう。
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歴史的航空写真に基づく東京大空襲の被害分布
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携帯電話移動情報から抽出した選挙当日のユーザー履歴と投票所までのコスト距離