システム情報数理学 III

システム情報科学専攻

システム情報数理学 III B03 Mathematical System Analysis III

  • 坂口 茂 教授 (Prof. Shigeru Sakaguchi)
研究キーワード偏微分方程式論、解の幾何学的性質、拡散方程式、楕円型及び放物型方程式、逆問題の視点

偏微分方程式の解の幾何

偏微分方程式の解の幾何学的性質を知ることを主な研究目的としています。偏微分方程式の解は関数ですからその形状や幾何学的性質を知りたいと思うのは自然な欲求です。現在の主な研究テーマは次のようです。

(1)拡散方程式の解の不変な等位面

関数のグラフの形状を知るには、 まず関数の等位面を調べることから始めるのが自然です。特に、 熱方程式の解のある等温面が不変であるとはその温度が時刻のみに依存することを言います。不変等温面の存在は熱伝導体の対称性と深く関係しています。 常螺旋面、円柱面、球面および平面は3次元ユークリッド空間内の不変等温面の例になっています。円柱面、球面および平面について、3次元空間内の不変等温面による特徴付けがほぼ完成し、 常螺旋面の良い特徴付けが期待されます。

(2)複合媒質上の偏微分方程式の問題

極最近、3層熱伝導体の中で平面層の不変等温面や不変等熱流面による特徴付けを得ました。複合媒質を扱う問題に特に興味を持っています。

(3)拡散と領域の幾何の相互作用

熱伝導体の形状とその初期熱拡散は深く関係しています。熱方程式、多孔質媒質型方程式やその関連する拡散方程式を扱っています。

(4)楕円型方程式の解の形状

一般に楕円型方程式の解は時間が十分経ったときの定常状態を記述しています。リュービル型定理は超平面をある制限下での全域解のグラフとして特徴付けます。過度境界値問題は対称性をもつ領域を特徴付けます。境界値問題に付随する等周不等式はその等号を実現する解の形状を特徴付けます。

(5)逆問題の視点

偏微分方程式は自然現象を記述するモデルによく現れます。逆問題の視点から意味のある方法で幾何学的対象を特徴付ける興味深い問題が多くあります。