情報セキュリティ論

情報基礎科学専攻

情報セキュリティ論 A16 Information Security

  • 栗林 稔 教授 (Prof. Minoru Kuribayashi)
  • 酒井 正夫 准教授 (Assoc. Prof. Masao Sakai)    
  • 磯辺 秀司 准教授 (Assoc. Prof. Shuji Isobe)  
  • 小泉 英介 助教 (Assis. Prof. Eisuke Koizumi)    
研究キーワード計算量理論、帰着、公開鍵暗号系、暗号学的仮定、ブロックチェーン

情報セキュリティの数学的理論

本講座の研究分野は、情報セキュリティ理論およびそれに関連する数学です。理論的基礎となるものは、組み合わせ論、計算量理論、代数学、幾何学など多岐にわたります。現在、我々が主に興味を持っているのは次のテーマです。

(1)計算量理論

計算量理論は計算機科学の中核をなす理論の一つで、種々の計算問題をそれを解決するための計算量 (計算の複雑さ) で分類し、それらの計算量クラスの間にどのような関係があるかを探求する理論です。我々は、主に情報セキュリティ理論への応用の観点から、種々の計算問題の複雑さや帰着関係などを考察しています。

(2)暗号系の安全性

今日の公開鍵暗号系や電子署名系の多くは、計算量的に効率よく解決することは困難と考えられている幾つかの計算問題にその安全性を依存しています。我々は、暗号系の安全性を支える種々の基礎問題の複雑さを構造的計算量理論の手法を用いて研究しています。

ある問題の複雑さに安全性を依存する暗号方式は、量子計算機の出現などによりその基礎問題の複雑さが十分であると言えなくなる状況下では安全性の根拠を失います。 我々はそのような状況下においても安全性の担保能力を持つような新たな基礎問題の開発や、安全性担保能力を補強するような一般的な仕組みについても興味を持っています。

 

また、最近は、ブロックチェーン応用技術の開発やその安全性評価など、実用的研究にも取り組んでいます。