第7回 情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

<2015.8.7>
 第7回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は信州大学教育学部教授の村松浩幸先生をお迎えして、7月25日に行われました。今回の題目は「知的財産権をどうやって教えるか」です。

 村松先生は長野県の中学校技術科の教員をされた後、大学で技術教育学、特に知財学習の理論と指導法をご専門に研究され、2015年4月には「知財教育の理論的及び実践的研究と普及啓発」という内容で文部科学大臣から科学技術賞を受賞されました。

 今回のセミナーでは村松先生に「1.著作権制度の概観」「2.著作権の指導法の要点」「3.著作権教育研究の知見」の3つについてお話頂きました。

 「1.著作権制度の概観」では、まず現在の著作権がどのように成立したのかを歴史的な経緯からお話頂きました。著作権はこれまでは「プロの世界」の法律でしたが、インターネットやデジタル技術が発展した現代においては「一般人の世界」の法律になってきているとのことです。また、著作権の理念が、著作物を保護することで著作者のインセンティブを高め、創作の動機付け、文化の発展に繋げることにあることについてもお話頂きました。

 「2.著作権の指導法の要点」では、これまで国語や技術などで教えられてきた著作権教育はまだ創作的に学びあえるまでには至っておらず、そのため実際に著作物の権利申請や著作権契約をロールプレイし、体験を通して学びあうことで、「社会的関係の意識化」や「創造性の重視」を学ぶことのできる実践を展開していくことが重要であると仰っていました。

 また、「3.著作権教育研究の知見」では、これまで行われてきたような著作権教育の実践を「従来型」、体験を通して学びあう実践を「創造性型」として、両者の比較から分かる知見についてご説明頂きました。それによると、「従来型」でも「創造性型」でも著作権に対する意識の向上には効果があるものの、「従来型」はアイデアの共有に対する価値の認識が低く、「創造性型」では創造的活動意欲が向上することが分かったそうです。また、「創造性型」に基づいた国語の引用指導の実践なども紹介をして頂き、継続的な学習が著作権に対する意識の向上にとってはとても重要であることを教えて頂きました。

 著作権教育が、してはいけないことを教えるだけではなく、創造性を育むためのものでもあるということに驚いたのもそうですが、私はとりわけ「最も相手に敬意を払うのは乗り越えること 新しい知恵を生み出す 新しい表現を生み出す そのようなクリエイティブな著作権教育こそ大事だ」という村松先生の言葉がとても印象に残りました。今回のセミナーに参加された皆さんにとっても、それぞれのフィールドでしっかり活かすことのできる有意義な知見を得られたのではないかと思います。

村松先生ありがとうございました。

(博士課程前期2年 相沢優)

窪俊一代表によるプログラムの紹介 信州大学教育学部教授 村松浩幸先生による講演「知的財産権をどうやって教えるか」 参加者と講師と堀田龍也教授によるディスカッションの様子