第43回 情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

〈2020.1.14〉

 第43回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は、1月11日(土)に東京学芸大学ICTセンター 准教授の加藤直樹先生をお迎えして行われました。
 今回の題目は「学習者用デジタル教科書の研究と実践からみえたこと」です。

 加藤先生は、東京農工大学にて助手を勤めながらインタフェースのデザインやシステムの開発を手掛けたのち、東京学芸大学にて教育実習や学校現場でのICT活用、教員研修等でご活躍されています。また、デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン検討会議の委員も務めていらっしゃります。

 近年、AI技能などを含む高度情報通信技術の発展に伴い、課題発見、解決の能力が求められています。そのような能力を育成するためには知識を関連付けたり、体系化、構造化することが重要になるのだと加藤先生はおっしゃられていました。知識を習得する際にはICTを活用することが鍵となり、児童生徒にもICTを日常的な学習で活用する経験が必要なのだということでした。
 児童によるICTの活用のうち、学習者用デジタル教科書の活用が近年着目され、実践報告も多くされています。学習者用デジタル教科書の効用について、加藤先生がお話ししてくださりました。
 デジタル教科書の機能の利点は、容易多彩に書ける、多彩な見え方ができる、多彩な教材へのリンクができる、容易に共有ができる、内容の再利用ができるというでした。これらの効用により、教師の授業スタイルが児童中心の授業となったり、児童の活動も変化するのだそうです。児童の活動の変化とは、これまでにも日常的に行われていた活動が学習者用コンピュータを活用することにより強化され、主体的で対話的な深い学びに発展するということでした。
 各教科書会社のサイトの体験版を使ったデモンストレーションも行われました。体験したフロアの方々は、指導者用デジタル教科書と構造が似ていることや誰もが直線を容易に引くことができること、巻物のように国語教材を見ることができる機能などに感嘆の声を挙げていらっしゃりました。
 また、フロアからは「紙が良いのか、デジタルが良いのか、悩ましい。」という感想もありました。それに対し加藤先生は、「紙かデジタルかということではなく、どちらの良さも使っていく。紙で学ぶべきこともある。」とお話されていました。
 紙の教科書のよさがある一方で、生産年齢人口の減少や国際化の発展等、複数の容易ではない課題を解決していく能力が求められているという現代の課題を踏まえると、授業の効率・効果の効用の他にも、子供達がICTを活用しながら学習を深める経験をできることがデジタル教科書を活用することの意義なのだと学ぶことができました。そのためにも、実践を重ねながらデジタル教科書の機能改善、実践の改善を図ることが求められていることを実感いたしました。
 
 加藤先生、この度は大変お忙しい中、貴重なお話をしてくださり本当にありがとうございました。

(博士前期課程1年 遠藤みなみ)

窪俊一代表によるプログラムの紹介 東京学芸大学 加藤直樹先生による講演「学習者用デジタル教科書の研究と実践からみえたこと」 堀田龍也教授によるディスカッションの様子 会場の様子