第42回 情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

〈2019.11.20〉

 第42回情報リテラシー連続セミナー@東北大学は、11月16日(土)に学校法人桐蔭学園理事長の溝上慎一先生をお迎えして行われました。今回の題目は「学校から仕事・社会へのトランジションに向けたアクティブ・ラーニング型授業」です。

 溝上先生は、心理学をバックボーンとして、学校から仕事・社会へのトランジション(移行)の研究をされており、20年ほど京都大学で教鞭をとられていました。大学生を対象とした研究や指導をされる中で、同じような学力を有しているはずにも関わらず、授業で積極的に発表したりディスカッションに参加したりできる学生とそうでない学生がいることや、これまでの調査によって就職後の取り組み方が学校での学び方とかかわっていることが明らかになったとのことでした。
 中でも、溝上先生が実施された、高校生数千人を対象とした追跡調査では、個人のパーソナリティに関する資質・能力は高校生の時から大学・社会人となっても大きな変化が見られないことが明確になったそうです。「高校で頑張らなかった人が大学で頑張るはずがないじゃないですか」という溝上先生のお言葉には、強い説得力がありました。高校・大学に限らず、義務教育における指導の重要性にもつながるお話でした。

 また、社会が変化によって協働の比重が高まっているからこそ、これまでと同じような教育をしていればよいのではなく、これからの時代に必要な資質・能力をアクティブ・ラーニングの中で育てていく必要があるのだとおっしゃっていました。

 溝上先生は、アクティブ・ラーニングのキーワードは「外化」であると主張されていらっしゃいました。「外化」とは、自分の考えを書いたり話したり発表したりすることで、インプットしたものをアウトプットすることを指すそうです。画家が、何万本も線を引いて初めて一本の線が引けるようになるように、授業の中で外化する場数を増やしていくことが大切だとのことでした。しかし、教師と児童生徒との関係ができていない段階でやみくもに外化を促しても、児童生徒の心は離れていってしまうため、児童生徒との関係を構築することが基盤となるとおっしゃっていました。

 日本の生産年齢人口は、今後減少していくことが予想されています。
 子どもたちは、協働が必要不可欠となる時代を生きることになります。
 今回のセミナーで、アクティブ・ラーニング型授業を通して児童生徒の資質・能力を育成していくことの重要性を学びました。

 溝上先生、この度は大変お忙しい中、貴重なお話をしてくださり本当にありがとうございました。

(博士前期課程1年 安里基子)

窪俊一代表によるプログラムの紹介 堀田龍也教授による講師の紹介 学校法人桐蔭学園 溝上 慎一理事長による講演「学校から仕事・社会へのトランジションに向けたアクティブラーニング型授業」 会場の様子 グループディスカッションの様子