第32回 情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

2018.9.4
 第32回情報リテラシー連続セミナー@東北大学が9月1日(土)に開催されました。
 今回は、竹内和雄先生をお迎えし、「スマホ時代の学校に求められること」をテーマにご講演いただきました。折しも、前の日にインターネット依存の疑いのある中・高生が5年で倍増というニュースが発表になったばかり。否が応でも期待が高まりました。

 竹内先生は、参加者に矢継ぎ早に投げかけます。
「子供が『You Tuberになりたい』と言ったら、認めるか?」
「iPad baby(iPadでの育児)、認めるか?」
スライドと動画と話術でぐいぐいと話に引き込まれました。

 もともと中学校の教員をしていた竹内先生が、なぜ、子供たちとネットの問題に関わるようになったか、という話から、子供の現状を紹介されました。一つは低年齢化しているということ。携帯電話の所持率やネットの接続率、どんな機器を使っているかなど、データや子供たちに聞き取った実例を交えながら、低年齢化が進んでいることが紹介されました。もう一つは動画化。今の子供たちはTVを見なくなっていて、仙台の子供たちに流行っていることを紹介しながら、情報源も情報発信も動画になっているとおっしゃっていました。

 次にネットいじめの現状。LINEのほんのちょっとしたやり取りから、いじめが起きてしまうことや、あっという間に深刻な事態に陥ることなどを、実際に起きた事件の例も引きながら、教えてくださいました。聞き手にも考えさせながら話をされました。特に、
「ドラえもんの舞台は昭和。今、ジャイアンのようないじめっ子はいないし、登場人物の誰が今のいじめっ子かというと、しずかちゃん。」
「子供たちが使っているLINEは、わたしたちの感覚とは別物。面と向かっての会話と、LINE上のやりとりをしていたとして、大人は『会話の方が大事』と思っているが、子供たちは『差はない。どちらが大事かは、その時の状況に応じて自分が決める』。」
といった話が印象的でした。

 それから、ネットの危険について、最近の事件や、子供たちがよく使っているアプリなどを実際に見せながら、話されました。

 では、どのような対策を取るべきなのか。竹内先生ご自身も「絶対これが効果がある!というわけでもなく、手探りの状態」と前置きされた上で、子供たちに考えさせるのが良いのではないかとおっしゃいました。各地でスマホサミットなどを開かれているご経験から、学校では、自分たちでルールやキャッチフレーズを作らせたり、先輩から後輩に伝えるという形で動画を作らせたりといったことが良いのではないかとのこと。また家庭では、フィルタリングや時間制限の機能を使って、子供と話し合いながら、使い方を一緒に考えていくのが良いのではないかとのことでした。

 豊富な実例を交えた様々な話題を受け、ディスカッションでは活発に意見が交わされていました。参加していた大学生からも「今の中・高生のことは分からない」との声。また、校長先生の「分からないことが多い。闇が多い。」との発言に、竹内先生が「若い人は闇だと思っていない。それに大人はリアル>ネットだと思っているが、若い人はそうでもない。」とコメントされました。それから、参加者からの高校や教育委員会の取組の紹介もありました。

 最後に竹内先生が「子供たちに聞くと、現状は先生や親など大人が相談相手になっていないけれど、本当は聞いてほしいと思っている。普段から『いつでも相談に乗るよ』『自分は知らないけど、知ってる人を知ってる』と声をかけることが大事。スマホの問題は、心の問題だから、学校や家庭を楽しくするのが一番。」と締めくくられました。
 
 竹内先生は「ネット問題は文化づくり」とおっしゃっていました。大人だけでもだめだし、子供だけでもだめで、「どちらも一緒に」「社会全体で」「それぞれの地域で」取り組んでいかないといけないとのこと。「分からない」で済ますのではなく、それぞれの立場でがんばっていこうと前向きになった回でした。

 竹内先生、ありがとうございました。

(博士課程後期1年 渡邉光浩)

窪俊一代表によるプログラムの紹介 堀田龍也教授によるセミナーの紹介 兵庫県立大学 竹内 和雄先生による講演「スマホ時代の学校に求められること」 グループディスカッションの様子