第31回 情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

2018.7.22
 第31回情報リテラシー連続セミナー@東北大学が721日(土)に開催されました。
今回は、NPO法人みんなのコードからお二方、利根川裕太代表理事と竹谷正明主任講師をお迎えし、「ここから始めるプログラミング教育」をテーマにご講演いただきました。

 最初は利根川氏が登壇されました。みんなのコードのミッションは「すべての子どもがプログラミングを楽しむ国にする」だそうです。なぜ「すべての子ども」なのか。それは、高度な人材育成のためには、裾野の拡大が肝心だと考えていらっしゃるからです。そのためのアプローチとして、2020年度から必修化される小学校でのプログラミング教育で、子どもたちがプログラミングを楽しめる授業が日本に広まるよう、学校の先生等への支援を企業・行政と協力しながら実施しているとのこと。そうやって、子どもたちが大人になった頃、「コンピュータ・プログラミングで様々な課題を解決してしまう日本」になることを目指しているとおっしゃっていました。その「様々な課題の解決」の具体として、ご自身の体験や掃除当番表をLINE BOT化した高校生、高齢者向けアプリを作った80代の方などを紹介されました。
その後、「あなたの家にコンピュータはいくつありますか?」「あなたの暮らしは人工知能で便利になっていますか?」と会場に質問を投げかけ、家庭で制御が行われている家電等も含めれば20台以上あることや、生活レベルはもちろんいろいろな仕事において人工知能で便利になっていることの実例を挙げられました。プログラミングが活用されているのはPCやスマートフォンだけではなく、また現在黎明期の技術が10年~20年後の社会を変えることが要されることから、そのような時代の共通スキルとしてプログラミングの重要性が高まるとのこと。そこで、社会で幅広く活用されているコンピュータについて、その動作原理を社会的に理解するため、義務教育でのプログラミング教育が必要であり、お米について知るために米作り体験をし、電気について知るために電池を使った実験をするように、コンピュータやプログラムについて知るためには、プログラミング体験をする必要があると訴えられました。

次に登壇した竹谷氏は、もともと小学校でICT活用を進められていた先生です。
 みんなのコードが開発した「プログル」は、ビジュアルでロボット、グラミンを動かすチュートリアル・ドリル型。無料で、インストールがいらず、多機能ではないそうですが、教科の指導に合わせて作られているとのこと。みんなのコードは、このプログルを使って、地域・学校のプログラミング学習のリーダーを全国で養成しています。
 今回取り上げられたのは、学習指導要領でもプログラミング学習の例として挙げられている、小学校5年生算数科の「正多角形」。ここからは、模擬授業形式で進みました。
その後、「失敗こそ最高の教師だ」というスター・ウォーズのマスター・ヨーダの言葉も引きながら、今日の模擬授業でのプログラミング的思考と、算数の学びや、主体的・対話的で深い学びの「深い学び」について、解説してくださいました。

講演後のディスカッションでは、まず「純粋に楽しかった」「これまで『プログラミング教育』というのはハードルが高いと思っていたけれど、これならできそう」「学校に帰ってから先生方に伝えたい」といった感想が出されました。
さらに「自分のこと」としてディスカッションを深め、「竹谷先生のように伝えていくとともに、同じようにできる校内のリーダーを育成したい」という教育センターの指導主事や「今日教わったことを、子どもたちを借りて授業をやって見せ、教科の中でのプログラミング教育ということを感じてもらいたい」という校長先生もいらっしゃいました。
竹谷先生からは、プロカリで教材と指導案をサイトで紹介しているが、だからといって授業ができるか、というとそうでもない。だから模擬授業で伝えていきたいとのことでした。一番いいのは、いい授業を見ることだが、だからといって同じようにやらないといけないわけではなく、その先生なりにやればいいわけで、失敗も大事。まずやってみてほしいとのことでした(プロカリには竹谷先生の模擬授業の動画もあるとのこと)。

仙台らしからぬ暑さの中、100名以上もの参加があり、会場も熱く盛り上がりました。参加された方々は、「プログラミング教育、ここから始められそう」と感じられたことと思います。お二方、ありがとうございました。

(博士課程後期1年 渡邉光浩)

窪俊一代表によるプログラムの紹介 堀田龍也教授によるセミナーの紹介 NPO法人みんなのコード 利根川裕太代表による講演「ここから始めるプログラミング教育」 NPO法人みんなのコード 竹谷正明先生によるワークショップ グループディスカッションの様子