第25回 情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

<2017.11.11> 
 第25回情報リテラシー連続セミナー@東北大学が114日(土)に、早稲田大学人間科学学術院の向後千春先生をお迎えして行われました。今回の題目は、「先生のための教える技術」です。

 向後先生のご専門は、教育工学の分野はもちろん、教育心理学やアドラー心理学など多岐に亘り、多数の学術論文や著書があります。また、全国で講演やワークショップ活動を展開されているなど、多方面でご活躍されていらっしゃいます。

 まず、今回のセミナーの進め方についてお話があり、
・レクチャーを聞く
・付箋に書く
・グループ内で話す
・全体でシェアする
という流れで進めていき、もし質問がある場合は「質問カード」に書いてもらい、あとで向後先生がまとめて回答するということでした。

 セミナーでは、3つの観点からご講演いただきました。
1.“教える”とはどういうことか
2.教え方に原理はあるのか
3.“教える”とはそれを伝授することじゃない

 まず、「1.“教える”とはどういうことか」のセクションでは、その名の通り、「教えるとはどういうことか」について考えていきました。はじめに、教えることに関する質問紙の回答から始まりました。その質問紙は、「教えることへの自信」、「教えることの価値」、「教える相手次第」の3つの観点から構成されていました。受講生の方々は質問紙の回答をもとに計算し、どのくらい教えることへの自信があるのか、あるいは価値があるのかを明らかにしました。そして、その後はグループで自己診断の結果をシェアし、複数のグループが全体にシェアするという流れで進みました。発表を聞いていて、教育に携わっていらっしゃる参加者の方々はとりわけ教えることへの価値が高いことが印象的でした。

 次に、「2.教え方に原理はあるのか」のセクションでは、効果的な教え方のポイントについて考えていきました。ここでのワークの内容は「効果的な教え方のポイントになるのはどんなことだと思いますか。」であり、受講生の方々は、「興味や関心を引き出す工夫をする」や「生徒の気づきを大切にする」、「目の前にいる人のレベルに合わせた話し方をする」、「なぜ学ぶのかを理解させる」など、様々な意見を挙げておりました。向後先生は、効果的な教え方をするには、「人がどう学ぶかという学習理論」、「学習を促進するためのデザイン原則」、「現場での実践を通じての研究と改善サイクル」について知ることが必要であると仰っておりました。

 最後に、「3.“教える”とはそれを伝授することじゃない」のセクションでは、教えるということは知識を伝えることではなく、その知識を使えるようになるまで見届けることであるということでした。つまり、最終的には知識ではなく、知識を使って役立てることが重要であり、とりわけ21世紀には社会性と情動性が大切であると仰っておりました。ここでのワークの内容は「相手に教えた内容を使ってもらうためにはどのように教えればいいと思うか」であり、受講生の方々は「学んだことを使ったらどんな楽しいことが自分に起こるか考えてもらう」、「生活や社会との結びつきを教える」、「習慣化できるようにする」、「チャレンジの楽しさを味わう」などの意見を挙げておりました。向後先生からは、教えた内容を使ってもらうためには、「リアリティのある課題を設定する」、「評価とフィードバックがある」、「つまらなくても飽きずに続けられる」という条件が必要であると仰っておりました。

 その他にも向後先生は、「人は先生から学ぶより隣の人から学ぶほうが良い」、「人は半分成功、半分失敗しそうな時にやる気が出る」、「やる気のない人に教えることはとても難しいが、教科書の内容がどういう風に社会で役に立つかということを最初に教えることが大切である」、「グループワークのやり方が悪いのは先生の説明の仕方が十分でないことが原因」と仰っておりました。

 セミナーでは、受講生の方々に発言をしてもらい、あるいは質問カードを記入してもらい、向後先生がコメントをするなど、双方向型のセミナーであることが印象的でした。

 向後先生、ありがとうございました。

(博士課程前期2年 望月翔太)

窪俊一代表によるプログラムの紹介 堀田龍也教授による講師の紹介 早稲田大学人間科学学術院教授 向後千春先生の講演「先生のための教える技術」 グループディスカッションの様子