第24回 情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

<2017.9.13> 
 第24回情報リテラシー連続セミナー@東北大学が99日(土)に、東京福祉大学教育学部の准教授である柴田隆史先生をお迎えして行われました。今回の題目は、「ICT活用のための人間工学」です。

 日本人間工学会「子どものICT活用委員会」の副委員長でもある柴田先生のご専門は人間工学や視覚工学であり、学際的な視点から人とメディアに関する研究に取り組んでいらっしゃいます。また、柴田先生は、古墳を3Dで見せることで立地や奥行きなどを教室や社会教育施設で子どもたちが感じることができるコンテンツを作り、2016年「3D映像の教育応用」で先進映像教会のグッドプラクティス・アワードを受賞されました。

 ご講演では、人間工学の定義から始まりました。
人間工学とは、人間を中心とした働きやすい職場や生活しやすい環境を実現し、安全で使いやすい道具や機械を設計することに役立つ実践的な科学のことであり、人に合わせて何かをデザインし、それを快適に使うことができるかどうかなどの観点から探求する学問であるそうです。

 柴田先生は、人間工学の視点から学校でのICT活用に関して研究を進めており、教員や児童生徒による、実物投影装置(実物投影機など)や大型提示装置(大型テレビやプロジェクタ、電子黒板など)、タブレット端末の利用に関して、人間工学的な視点から考えていかなければならないということでした。つまり、学校で教員及び児童生徒が、安全で快適にICTを使う環境は整っているのかどうかを考えているということでした。

 まず現実的な問題点として、タブレット端末への見え方を妨害する教室の蛍光灯や窓からの太陽光による画面への映り込み(グレア)が原因で、タブレット端末の画面が見づらくなるケースがあるということでした。それにより、視認化が低下し、見たい部分が見えなくなる可能性や見にくいことを回避するために姿勢が悪くなる可能性があるそうです。その映り込み(グレア)への対策として、タブレット端末を傾けることが挙げられますが、それはユーザーに問題解決を委ねており、人間工学的には理想的な解決策ではないということです。そこで人間工学の視点から、ICTを安全で快適に利用するための配慮が必要であり、児童生徒の健康面や身体的な特性等についても十分に配慮する必要があるということでした。

 柴田先生が児童のタブレット端末の活用と身体的疲労について調査をした結果、約6割の児童がタブレット端末の画面に蛍光灯が映り込んで見にくいと感じているそうです。また、3人に1人の児童が、眼や首、肩などに身体的疲労を感じ、約55%の児童がタブレット端末を使う時のほうが、紙の教科書を使う時よりも目が疲れると思っていたということでした。

 次に、目が疲れるというお話から近視についてのお話となり、近視は小学生から高校生までの間に急激に眼軸長が伸び、それが伸びすぎることで近視が進行するそうです。外で太陽光を浴びると近視のリスクが下がるという研究成果が報告されているということでした。

 そして、スマートフォンなどを夜寝る前に使わない方が良いのかというお話になり、2014年にアメリカの研究グループが、「夜寝る前に明るい画面を見ない方が良い」ことを実証しており、夜寝る前に明るい画面を見ると、寝つきが悪くなる、眠りを誘うメラトニンが少なくなる等のことが起こるそうです。

 また、日常的に教室でタブレット端末を使う上での留意点に関しては、姿勢を正しくして視距離を十分にとる必要があり、そのために教員は指導していかなければならないということでした。
 
 人間工学の観点から学習環境に関してご講演してくださったことで、セミナー参加者の方々にとって学びが多かったのではないでしょうか。

 柴田先生、ありがとうございました。

(博士課程前期2年 望月翔太)

窪俊一代表によるプログラムの紹介 堀田龍也教授による講師の紹介 東京福祉大学准教授 柴田隆史先生の講演「ICT活用のための人間工学」 会場の様子 グループディスカッションの様子