第19回 情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

<2017.2.8>
 第19回情報リテラシー連続セミナー@東北大学が1月28日(土)に、合同会社デジタルポケット代表の原田康徳さんをお迎えして行われました。今回の題目は、「プログラミング教育の先」です。

 原田さんは、長くプログラミング言語の研究をされてきており、子ども向けプログラミング言語「Viscuit(ビスケット)」を開発されました。その後、合同会社デジタルポケットを設立し、現在はプログラミング教育の普及に尽力されています。

 ご講演では、まず初めに、「コンピュータと社会」というお話をしていただきました。今日、社会が急速に大きく変わっているといわれていて、その原因がコンピュータであり、コンピュータの普及により仕事がなくなったり、生まれたりするということでした。一方、社会が二極化し、コンピュータを知っている人と知らない人で完全に分かれており、コンピュータを知っている人がルールを決め、知らない人がただそれを従う構図になっていると仰っておりました。

 その次に、お米がどう作られているかを知らない子どもが育つということは、大人たち全員がそのことについて知っているため気持ち悪く感じるのに、コンピュータがどう動くか知らない人がいることは、ほとんどの大人が知らないことは知らなくていいと考えているため気持ち悪くないということでした。そして、原田さんはそのような事態で良いのか、危機感を持っているそうです。

 次に、コンピュータには偽物のコンピュータ像があり、アプリを使う人から見ると、あるアプリの性質をそのままコンピュータだと思ってしまうそうです。逆にアプリを作った人から見ると、いいアプリやひどいアプリはコンピュータの性質ではなく、作った人の責任であり、前者と後者の違いはとても大きいと仰っておりました。また、コンピュータによってつくられた現象にとらわれず、コンピュータの本質が何であるかということと、それによってできたことを区別しないといけないということでした。そして、本で読んだだけではコンピュータの本質を理解できないため、本質を知るためにはプログラミングの体験が大切であるということを仰っておりました。

 また、プログラミングで伝わるコンピュータ像として、
・コンピュータのすごいところとバカなところ
・単純なことを組み合わせて複雑なことをする
・モノと情報の違い
・コンピュータは脳の拡張
・人間の計算とコンピュータの計算
・情報でモノを作るのは大変
・プログラミング言語とはなにか
が関係しているということでした。

 例えば、上述した「モノと情報の違い」は、モノは移動するだけで、渡した場合なくなりますが、一方、情報は複製し、相手に教えてもなくならないものということでした。つまり、情報は原理的に拡散すると仰っておりました。

 また、「コンピュータは脳の拡張」については、人間は先入観で判断を誤るものであり、コンピュータにシミュレーションをさせると、先入観を修正できるそうです。ただ、シミュレーションには基本と限界があり、自分でプログラムを書くが、プログラムの範囲内において、結果を信用するということでした。

 そもそもプログラミング言語は、人間とコンピュータの橋渡しをするものであり、また、両方が分かるように書くものであり、昔はコンピュータが遅かったので人間が合わせていたものの、コンピュータが速くなった今はコンピュータが人間に合わせるべきだと考えているそうです。

 最後に、今回の題目を「プログラミング教育の先」にした一つは、子どもたちに対してプログラミング教育をどのように行うべきなのかではなく、本当は参加されている皆さん自身が自分たちの生活を豊かにするものとして使ってもらえるようになったらいいなという願いが込められているそうです。

 セミナーでは、ここには書ききれないほど沢山のことについてお話しいただいたご講演だけでなく、実際にビスケットのデモや体験活動もあり、セミナー参加者の方々の驚きの声が印象的でした。

 原田さん、ありがとうございました。

(博士課程前期1年 望月翔太)

窪俊一代表によるプログラムの紹介 堀田龍也教授による講師の紹介 合同会社デジタルポケット 代表 原田康徳さんの講演「プログラミング教育の先」 子ども向けプログラミング言語「Viscuit(ビスケット)」の体験