第17回 情報リテラシー連続セミナー@東北大学を開催しました

<2016.10.31>
 第17回情報リテラシー連続セミナー@東北大学が10月29日(土)に、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明教授をお迎えして行われました。今回の題目は、「ディジタルコンテンツからフィジカルコンテンツへ 先端メディアサイエンスの世界」です。

 宮下先生は、2007年に明治大学に着任され、「表現の民主化」をキーワードに、ディジタルコンテンツ制作支援の研究室を発足されました。そして、現在は明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の教授をされています。宮下先生はヒューマンコンピュータインタラクション、エンタテイメントコンピューティングが専門であり、人間の感性とテクノロジーの掛け合わせによる、人間の表現能力をコンピュータで拡張する研究を進めていらっしゃいます。その他にも、総合数理学部先端メディアサイエンス学科のカリキュラムからキャンパス設計まで全て携わっていらっしゃいます。

 まず、宮下先生のセミナーの冒頭では、研究の話より先に、ポケットに入る「セルフィー・ドローン」の飛行から始まり、受講生の関心を一気に引きつけました。

 その後は、1976年のコンピュータは冷蔵庫以上のサイズであり、スピードも速くなかったというお話が出ました。そして、その20倍の計算速度であるのが現在の炊飯器であり、スマートフォンやゲーム機の場合は2万倍に達しているということでした。その他にも、現在は、コンピュータは計算機というより、センサー付きの眼鏡や、スマートウォッチ、SIMカードが内蔵されている自転車のペダル、電球、電池、カーテンなど何でもインターネットとつながる時代であると仰っていました。また、3Dプリンタに関しても持ち運びができるという研究がされており、仮に忘れ物をしたとしても、その場で3Dプリントすることも可能であるということでした。つまり、今日は、情報は触れることができるようになってきて、ダウンロードした情報で物質が制作できるようになっており、情報と物質が互換性を持てるようになってきたそうです。そして、物流がなくなりつつあり、また、少ないラインナップからの妥協がなくなりつつあり、物流が消滅した未来社会、いわゆるファブ地球社会がやってくるということでした。

 「電子工作の支援」のお話の中では、「優しい電気」というキーワードが出てきました。物理世界はとても厳しく、少しでも断線していると、全く動かないと仰っておりました。大目に見てくれる電気が欲しい、という発想から、そのようなプログラムを開発しているということでした。

 人間は表現を享受せずにはいられない動物であり、万が一表現することを禁じられてしまった場合、携帯電話を使用することも会話も禁止になり、息苦しくなります。それは、私たちは表現で呼吸しており、表現というものは人間の存在や尊厳に強く深く関わるものであると仰っていました。その他にも、21世紀になって受動的消費者から創造的生活者に変わり、レシピを誰もが創造して公開できるようになったり、誰もが映像を公開できるようになったり、誰もがアプリを作れるようになったり、またプロの映像表現だったプロジェクションマッピングまでも民主化になっていると仰っていました。

 最後に、最先端な研究は、一般大衆に理解されるまでは数十年掛かり、製品となっている時点で、そのメディア技術は研究としては古く、本当に最先端な研究は報道すらされないと仰っていました。逆に、現在制作されているものは、数十年後の未来を決定づけるものだと思って、日々研究をしているそうです。

 映像による例示を交え、分かりやすくご講演してくださり、文系出身の方でも、大変勉強になるセミナーとなったのではないでしょうか。

 宮下先生、ありがとうございました。




(博士課程前期1年 望月翔太)

明治大学総合数理学部 教授 宮下芳明先生の講演「ディジタルコンテンツからフィジカルコンテンツへ 先端メディアサイエンスの世界」 セルフィー・ドローンを飛ばす様子 グループディスカッションの様子 参加者との質疑応答の様子