情報リテラシー連続セミナー@東北大学
「情報リテラシー教育のを考える」

 情報化が進んだ今日においては、メディアからの情報を適切に読解し、活用し、発信できる「情報リテラシー」が求められます。
 「情報リテラシー連続セミナー@東北大学」では、私たちに必要となる情報リテラシーとは何か、どのように身に付けさせていけばよいかについて、各分野の専門家や学校等の実践家にゲストスピーカーをお願いし、一緒に考えていきます。



※第32回 8/28(火)締切

LinkIcon第29~32回リーフレットダウンロード
LinkIcon第33~36回リーフレットダウンロード

開催日時・講演内容

第29回 
2018年4月21日(土)14時~16時30分

学校の働き方改革の背景と
必要な課題設定力
 学校マネジメントコンサルタント 
 妹尾 昌俊
※セミナー終了

第30回 
2018年6月2日(土)14時~16時30分

学習環境としてのICT
―国語科の事例から
 東京学芸大学教育学部
 准教授 細川 太輔  
※セミナー終了

第31回 
2018年7月21日(土)14時~16時30分

ここから始めるプログラミング教育
 NPO法人みんなのコード
 CEO 利根川裕太
 指導者養成主任講師 竹谷正明 

※セミナー終了

第32回 
2018年9月1日(土)14時~16時30分

スマホ時代の学校に求められること
 
 兵庫県立大学環境人間学部
 准教授 竹内 和雄
※お申し込み受付中8/28(火)締切

第33回 
2018年10月27日(土)14時~16時30分

「働き方改革時代の教師のための
統計分析入門」
 上越教育大学
 教授 中野 博幸
※9月下旬受付開始予定

第34回 
2018年12月1日(土)14時~16時30分

「情報社会に向けた学級経営
-指導力のある教師が知っていること-」
 上越教育大学教職大学院
 教授 赤坂 真二  
※11月上旬受付開始予定

第35回 
2019年1月12日(土)14時~16時30分

「全校が一歩を踏み出す
相模原市のプログラミング教育」
 相模原市教育委員会教育局
 指導主事 渡邊 茂一
※12月中旬受付開始予定

第36回 
2019年2月23日(土)14時~16時30分

「ここから始めるプログラミング教育」
 ソニー株式会社
 事業開発プラットフォーム
 萩原 丈博
※1月下旬受付開始予定

会場

東北大学 青葉山北キャンパス
情報科学研究科棟2階「大講義室」 仙台市青葉区荒巻字青葉6-3-09(地下鉄「青葉山駅」真上)
LinkIcon詳しい地図はこちら
※受付は13時30分からです。

対象

主として学部生・大学院生、大学教員、学校現場の教育関係者、情報リテラシーに関係する企業の方など

定員

各回60名 LinkIcon要Web予約(第32回 8/28締切)

参加費

無料

主催

東北大学大学院情報科学研究科 情報リテラシー教育プログラム


※第32回 8/28締切

セミナー開催報告

2018年度開催

第31回
「ここから始めるプログラミング教育」
 利根川 裕太・竹谷 正明

第31回 2018年7月21日

「ここから始めるプログラミング教育」
 NPO法人みんなのコード
 CEO 利根川 裕太
 指導者養成主任講師 竹谷 正明

 最初は利根川氏が登壇されました。みんなのコードのミッションは「すべての子どもがプログラミングを楽しむ国にする」だそうです。なぜ「すべての子ども」なのか。それは、高度な人材育成のためには、裾野の拡大が肝心だと考えていらっしゃるからです。そのためのアプローチとして、2020年度から必修化される小学校でのプログラミング教育で、子どもたちがプログラミングを楽しめる授業が日本に広まるよう、学校の先生等への支援を企業・行政と協力しながら実施しているとのこと。そうやって、子どもたちが大人になった頃、「コンピュータ・プログラミングで様々な課題を解決してしまう日本」になることを目指しているとおっしゃっていました。その「様々な課題の解決」の具体として、ご自身の体験や掃除当番表をLINE BOT化した高校生、高齢者向けアプリを作った80代の方などを紹介されました。

第30回
「学習環境としてのICTー国語科の事例から」
 細川 太輔

第30回 2018年6月2日

「学習環境としてのICTー国語科の事例から」
 東京学芸大学教育学部 准教授 細川 太輔

 細川先生は、子供が言葉を使って考えて伝え合う活動や、そのための学習環境に関する研究に取り組まれ、東京学芸大学 次世代教育研究推進機構では、次の時代の子供たちが備えるべき能力観の研究の中核的な存在を担っておられます。国語科教育の枠にとらわれず、多方面でご活躍されておられる先生です。

 セミナーでは、3つのテーマについてお話しくださいました。
 1.アメリカの教育におけるICT
 2.学習環境としてのICTの事例紹介
 3.効果的なふりかえりを引き出すICT体験

第29回
「学校の働き方改革の背景と必要な課題設定力」
 妹尾 昌俊

第29回 2018年4月21日

「学校の働き方改革の背景と必要な課題設定力」
 学校マネジメントコンサルタント 妹尾 昌俊

 妹尾先生は文科省学校業務改善アドバイザー、中教審学校の働き方改革部会委員をされています。『「先生が忙しすぎる」をあきらめない』や『変わる学校、変わらない学校』などの著書も持っており、精力的に働き方改革に関わっていらっしゃいます。前職の野村総研では、学校評価者組織マネジメント、地域とともにある学校づくり(コミュニティスクール等)について全国調査などを行われていました。

 セミナーでは先生から挙げられた以下の3つの問いに対して、参加者とともに批判的に考えていきました。
  1. 日本の先生たち(小中高)は、本当に忙しいのか?
  2. 忙しいとしてもそれはマズイことなのか?(改善しないといけない重要な問題なのか?)
  3. 長時間労働を改善するためには、何が真に必要なのか?

2017年度開催

第28回
「思考力を育てる授業支援ソフト」
 杉山 竜太郎

第28回 2018年2月24日

「思考力を育てる授業支援ソフト」
 株式会社LoiLo 取締役 杉山 竜太郎

 杉山さんは、ゲームデザイナー等を経て、現在は株式会社LoiLoの取締役をされています。杉山さんは、子どもたちが考えるのを助けその考えを人に伝えることができる道具である「ロイロノート・スクール」(以下、ロイロノート)を開発されました。このソフトは全国の小学校や中学校、高校、大学等で活用され、2014年には日本e-Learning大賞(総務大臣賞)を受賞されています。

 セミナーでは、実際にセミナー参加者の方々がタブレットを用いてロイロノートを体験しながら進められました。(NTTドコモさんのご協力もあり、セミナーでは一人一台タブレットが貸与されました。)

第27回
「辞書引き学習で情報リテラシーを高める」
 深谷 圭助

第27回 2018年1月2日

「辞書引き学習で情報リテラシーを高める」
 中部大学現代教育学部 教授 深谷 圭助

 深谷先生は、公立小学校や中学校の教員をされた後に、私学の小学校の校長等を経て、現在は大学で教鞭をとられております。同時に現在はNPO法人こども・ことば研究所の理事長もされております。さらに深谷先生は、「辞書引き学習」という指導法を行っている著名な方で、全国でセミナーを開催されるなど多方面でご活躍されております。

 「辞書引き学習」とは、知らない言葉を引くのではなく、知っている言葉を引いて付箋を貼る勉強法であり、分からないことを調べるというよりも分かっていることを明らかにするという方が子どもたちにとっては嬉しいことであり、楽しい活動になるのは間違いないということでした。また、子どもがネットに流れるのは便利だからということであるものの、便利に調べたからといってそれが記憶に残るとは限りません。そのため、ある程度負荷をかけながら記憶して学習することが必要であるそうです。

第26回
「よみかきプログラミングの時代」
 石戸 奈々子

第26回 2017年12月2日

「よみかきプログラミングの時代」
 NPO法人CANVAS 理事長
 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
 准教授 石戸 奈々子

 石戸先生は、2002年にCANVASというNPO法人を立ち上げ、これまで約35万人の子供に対してワークショップを実施しており、グッドデザイン賞審査委員や総務省プログラミング教育事業推進会議委員等もされております。また、テレビ番組のコメンテーターもされており、幅広くご活躍されております。

 今日、未だかつて誰もが体験したことがないことを目まぐるしく変化する時代を生きている中で大事な力は学び続ける力であり、学び方を知っている子どもは活躍すると考えているということです。また、これからの時代は創造力とコミュニケーション力であり、これまで子どもたちの創造的な学びの場をつくるという活動を、ワークショップを通して産官学連携で取り組んできたそうです。石戸先生はワークショップの開発の際に10個の指針を大切にしており、その10個とは、「学び方を学ぶ」、「楽しく学ぶ」、「本物と触れる」、「協働する」、「教え合い学び合う」、「創造する」、「発表する」、「プロセスをたのしむ」、「答えはない」、「社会とつながる」であるということでした。

第25回
「先生のための教える技術」
 向後 千春

第25回 2017年11月4日

「先生のための教える技術」
 早稲田大学人間科学学術院 教授 向後 千春

 向後先生のご専門は、教育工学の分野はもちろん、教育心理学やアドラー心理学など多岐に亘り、多数の学術論文や著書があります。また、全国で講演やワークショップ活動を展開されているなど、多方面でご活躍されていらっしゃいます。

 まず、今回のセミナーの進め方についてお話があり、
・レクチャーを聞く
・付箋に書く
・グループ内で話す
・全体でシェアする
という流れで進めていき、もし質問がある場合は「質問カード」に書いてもらい、あとで向後先生がまとめて回答するということでした。

 セミナーでは、3つの観点からご講演いただきました。
1.“教える”とはどういうことか
2.教え方に原理はあるのか
3.“教える”とはそれを伝授することじゃない

第24回
「ICT活用のための人間工学」
 柴田 隆史

第24回 2017年9月9日

「ICT活用のための人間工学」
 東京福祉大学教育学部 准教授 柴田 隆史

 日本人間工学会「子どものICT活用委員会」の副委員長でもある柴田先生のご専門は人間工学や視覚工学であり、学際的な視点から人とメディアに関する研究に取り組んでいらっしゃいます。また、柴田先生は、古墳を3Dで見せることで立地や奥行きなどを教室や社会教育施設で子どもたちが感じることができるコンテンツを作り、2016年「3D映像の教育応用」で先進映像教会のグッドプラクティス・アワードを受賞されました。

 ご講演では、人間工学の定義から始まりました。
人間工学とは、人間を中心とした働きやすい職場や生活しやすい環境を実現し、安全で使いやすい道具や機械を設計することに役立つ実践的な科学のことであり、人に合わせて何かをデザインし、それを快適に使うことができるかどうかなどの観点から探求する学問であるそうです。

 柴田先生は、人間工学の視点から学校でのICT活用に関して研究を進めており、教員や児童生徒による、実物投影装置(実物投影機など)や大型提示装置(大型テレビやプロジェクタ、電子黒板など)、タブレット端末の利用に関して、人間工学的な視点から考えていかなければならないということでした。つまり、学校で教員及び児童生徒が、安全で快適にICTを使う環境は整っているのかどうかを考えているということでした。

第23回
「情報に踊らされないための《4つのギモンとジモン》」
 下村 健一

第23回 2017年7月22日

「情報に踊らされないための
       《4つのギモンとジモン》」
 白鴎大学客員教授/元TBSアナウンサー
 下村 健一

 下村先生は、TBS報道局アナウンサー、フリーのキャスターとしてご活躍されておりました。また、2010年から2013年には内閣審議官として官邸の情報発信担当をされていらっしゃいました。近年では慶應義塾大学や関西大学、白鴎大学で教鞭をとられるなど、多方面でご活躍されていらっしゃいます。

 今回のセミナーのメインは、「情報に踊らされないための<4つのギモンとジモン>」の「4つのギモン」のほうであり、セミナーでは参加者の皆さんが小学5年生になりきって参加しました。

 まずメディアとは情報を運ぶ道具であるというお話から始まりました。メディアは、テレビや新聞、掲示板やポスターなどが挙げられます。その中でも、ここ10年でインターネットやケータイ、スマホが登場したことにより、情報の受け渡し方に大きな変化が起き始めているそうです。 

第22回
「写真でテキストを読解する」
 池田 修

第22回 2017年5月27日

「写真でテキストを読解する」
 京都橘大学発達教育学部 教授 池田 修

 池田先生は、「実技としての国語教育」を提唱し、早くから実用的で役に立つ国語教育のあり方を提唱していらっしゃいます。また、教師の仕事自体を実学的な観点から捉えた教師教育を推進されていらっしゃいます。その他にも、PISAの問題作成委員や、教養番組の監修、国語教科書の編集委員をされるなど多方面でご活躍されていらっしゃいます。

 セミナーでは、ことわざの画像化すること(ことわざを写真で表現すること)を通してことわざを理解するということを目的としてワークショップが行われました。
 今回の画像化することわざは「二階から目薬」でした。このことわざを画像化するために、実際にグループでタブレットを使って撮影し、それをセミナー参加者全員で句会形式により投票しました。その後、「二階から目薬」の定義は、本来目薬は相手の目に入らない、そのもどかしさがこのことわざの意味であることを池田先生は教えてくださいました。つまり目に入ったかということは問題ではないそうです。そして、このことを意識すると評価は多少変わるということでした。

第21回
「韓国のデジタル教科書活用」
 曺 圭福

第21回 2017年4月15日

「韓国のデジタル教科書活用」
 韓国教育学術情報院(KERIS)
 主任研究員 曺 圭福

 曺先生は、韓国の初等中等教育の情報化全般、その中でもとりわけICT活用やデジタル教科書に関する政策や調査等に関わっていらっしゃいます。現在は、韓国教育学術情報院の主任研究員をされており、また2017年4月より東京大学大学院教育学研究科外国人客員准教授もされております。

 ご講演では、3つの観点からご講演いただきました。

1.デジタル教科書活用教育に関する先行研究
2.デジタル活用教育に関する先行研究への疑問
3.これからの課題

2016年度開催

第20回
「必要な情報を見抜いて問題解決する算数の授業づくり」
 盛山 隆雄

第20回 2017年3月11日

「必要な情報を見抜いて問題解決する
         算数の授業づくり」
 筑波大学附属小学校 教諭 盛山 隆雄

 盛山先生は、勤務校での多数の授業公開のほか、全国での模擬授業や講演などで、算数の授業づくりの模範を示しており、また、教科書や教育雑誌の編集にも携わっていらっしゃいます。

 今回は、セミナーに先立ちまして、6年前の東日本大震災で御逝去された方々を悼んで黙祷が行われました。

 盛山先生のお話は、プログラミング的思考の定義から始まり、算数の授業でプログラミング的思考を意識した授業の実践の紹介へと移っていきました。今回紹介してくださったたくさんの実践のうち、6年生の文字式の授業では、授業中にグループ単位で分担してデータを収集して、何かの決まりや法則を発見させるということを体得させることをねらいとして行っているそうです。実際にこの時、子どもたちは、自ら事例を集めて、きまりを見つけ、問題解決に生かそうとしており、このような考え方は、「帰納的」な考え方であるということでした。一方、日頃から、なぜ?という問いが子どもから出てきて、なぜ?を考えることが「演繹的」な考え方であるということであり、前にやった似たような問題と同じように考えてみようとするような思考が、「類推的」な考え方であるということでした。

第19回
「プログラミング教育の先」
 原田 康徳

第19回 2017年1月28日

「プログラミング教育の先」
 子供向けプログラミング言語
 "ビスケット" 開発者
 合同会社デジタルポケット 代表 原田 康徳

 原田さんは、長くプログラミング言語の研究をされてきており、子ども向けプログラミング言語「Viscuit(ビスケット)」を開発されました。その後、合同会社デジタルポケットを設立し、現在はプログラミング教育の普及に尽力されています。

 ご講演では、まず初めに、「コンピュータと社会」というお話をしていただきました。今日、社会が急速に大きく変わっているといわれていて、その原因がコンピュータであり、コンピュータの普及により仕事がなくなったり、生まれたりするということでした。一方、社会が二極化し、コンピュータを知っている人と知らない人で完全に分かれており、コンピュータを知っている人がルールを決め、知らない人がただそれを従う構図になっていると仰っておりました。

 その次に、お米がどう作られているかを知らない子どもが育つということは、大人たち全員がそのことについて知っているため気持ち悪く感じるのに、コンピュータがどう動くか知らない人がいることは、ほとんどの大人が知らないことは知らなくていいと考えているため気持ち悪くないということでした。そして、原田さんはそのような事態で良いのか、危機感を持っているそうです。

第18回
「学校の情報化のコツは何か」
 玉置 崇

第18回 2016年12月3日

「学校の情報化のコツは何か」
 岐阜聖徳学園大学教育学部 教授 玉置 崇

 玉置先生は、中学校の教頭、校長等を経て、現在は、教員就職率トップクラスの80%を誇る岐阜聖徳学園大学で教授をされております。また、文部科学省の「教育の情報化に関する手引」作成等にも参画されていて、学級経営や仕事術などの著書も多数あり、さらには落語活動もされているなど、あらゆる分野で幅広くご活躍されております。

 今回のご講演は、「やってみなはれ。やらなわからしまへんで。」という信念を持ち、これまでそのような生き方をしてきたというお話から始まりました。

 玉置先生が校長を務められていた時、「あいさつカード」を導入され、あいさつをした生徒にカードを渡すそうで、この活動のお陰で、あいさつが増えたことはもちろん、不思議と部活動の優勝が増えたそうです。

 その後、本題に移り、学校の情報化のコツは「見える化と価値付け」というお話をしてくださいました。そして、「見える化と価値付け」の話を3つの観点から、ご講演いただきました。
1. 学校ウェブサイト
2. 校務支援システム
3. 指導者用デジタル教科書活用

第17回
「ディジタルコンテンツからフィジカルコンテンツへ 先端メディアサイエンスの世界」
 宮下 芳明

第17回 2016年10月29日

「ディジタルコンテンツからフィジカルコンテンツへ 先端メディアサイエンスの世界」
 明治大学総合数理学部
 先端メディアサイエンス学科 教授 宮下 芳明

 宮下先生は、2007年に明治大学に着任され、「表現の民主化」をキーワードに、ディジタルコンテンツ制作支援の研究室を発足されました。そして、現在は明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の教授をされています。宮下先生はヒューマンコンピュータインタラクション、エンタテイメントコンピューティングが専門であり、人間の感性とテクノロジーの掛け合わせによる、人間の表現能力をコンピュータで拡張する研究を進めていらっしゃいます。その他にも、総合数理学部先端メディアサイエンス学科のカリキュラムからキャンパス設計まで全て携わっていらっしゃいます。

 まず、宮下先生のセミナーの冒頭では、研究の話より先に、ポケットに入る「セルフィー・ドローン」の飛行から始まり、受講生の関心を一気に引きつけました。

 その後は、1976年のコンピュータは冷蔵庫以上のサイズであり、スピードも速くなかったというお話が出ました。そして、その20倍の計算速度であるのが現在の炊飯器であり、スマートフォンやゲーム機の場合は2万倍に達しているということでした。その他にも、現在は、コンピュータは計算機というより、センサー付きの眼鏡や、スマートウォッチ、SIMカードが内蔵されている自転車のペダル、電球、電池、カーテンなど何でもインターネットとつながる時代であると仰っていました。また、3Dプリンタに関しても持ち運びができるという研究がされており、仮に忘れ物をしたとしても、その場で3Dプリントすることも可能であるということでした。つまり、今日は、情報は触れることができるようになってきて、ダウンロードした情報で物質が制作できるようになっており、情報と物質が互換性を持てるようになってきたそうです。そして、物流がなくなりつつあり、また、少ないラインナップからの妥協がなくなりつつあり、物流が消滅した未来社会、いわゆるファブ地球社会がやってくるということでした。

第16回
「教員を支えるICT支援員の業務の実際」
 高橋 あゆみ

第16回 2016年9月3日

「教員を支えるICT支援員の業務の実際」
 徳島県東みよし町教育委員会
 ICT教育支援員 高橋 あゆみ

 高橋さんは、2010年に総務省FS(フューチャースクール)推進事業において東みよし町立足代小学校専属ICT支援員として常駐で派遣され、そこでの功績が高く評価されました。その後、徳島県東みよし町教育委員会学校教育課にて、現在も東みよし町立学校ICT教育支援員を務めていらっしゃいます。

 今回のセミナーでは、大きく分けて、
1.国内におけるICT支援員の配置の状況
2.東みよし町におけるICT支援員の業務の実際
3.ICT支援員に期待されること
の3つの観点から、高橋さんにご講演頂きました。

第15回
「高等学校の教科情報では何がどう教えられているか」
 小原 格

第15回 2016年7月23日

「高等学校の教科情報では
       何がどう教えられているか」
 東京都立町田高等学校 指導教諭 小原 格

 小原先生は、都立町田高等学校情報科・主幹教諭を経て、現在は指導教諭として勤務されているだけではなく、次期学習指導要領に向けた中教審では情報ワーキンググループ委員でもあります。

今回は、
1.教科「情報」とは
2.本校情報科での授業
3.これからの情報科
という3つの観点から、ご講演いただきました。

第14回
「情報社会のこれからの進展と社会や生活の変化」
 中川 哲

第14回 2016年5月28日

「情報社会の
    これからの進展と社会や生活の変化」
 日本マイクロソフト株式会社
 業務執行役員 シニアディレクター 中川 哲

 中川さんは、1997年に日本マイクロソフト株式会社に入社され、現在は業務執行役員シニアディレクターとして、Windowsの製品責任者を務められていらっしゃいます。
また、中教審や文部科学省の様々な委員を歴任されていらっしゃいます。

 セミナーの前半では、「これからの社会とコンピュータの関わり」という観点から、ご講演頂きました。
クラウドに関しては、今のクラウドのデータの90%が最近2年以内に発生したデータであり、急速に指数関数的にデータが増大しているということ、また、2020年の段階の予測として、センサーが自動的にデータを吐く割合が40%であるということでした。

 次に、社会とITの関わりについて説明して頂きました。
その例として挙げられたのが、農業での事例です。
ドローンで農地を撮影し、葉っぱの色の違いを比較して、害虫被害にあっていないかを判定し、害虫被害にあっている箇所にだけドローンを飛ばし、農薬を局地散布するというIT活用方法があるということで、ITと関係がない産業はないということを学ぶことができました。

第13回
「文部科学省による教育情報化施策の最新動向」
 新津 勝二

第13回 2016年4月16日

「文部科学省による教育情報化施策の最新動向」
 文部科学省情報教育課情報教育振興室
 室長 新津 勝二

 新津室長は、文部科学省初等中等教育局に着任され、現在は生涯学習政策局情報教育課情報教育振興室長であり、中教審や教員のICT活用指導力等、教育の情報化に携わる部門を担当されています。
また、文部科学省の最新施策についての講演のために、全国各地を回っていらっしゃいます。

 セミナーでは、「教育情報化施策の最新動向」として5つの観点から、ご講演頂きました。
1. 我が国の教育の現状と課題
2. 学習指導要領改訂
3. 高大接続改革
4. 教員のICT活用指導力向上
5. 教育の情報化の現状と課題

2015年度開催

第12回
「ICTを活かした学校経営のコツ」
 新保 元康

第12回 2016年3月12日

「ICTを活かした学校経営のコツ」
 北海道札幌市立発寒西小学校 校長 新保 元康

 新保先生は札幌市立小学校や北海道教育大学附属札幌小学校に勤められ、北海道雪学習のカリキュラム化による総合的な学習の時間などの実践を積み重ねられてきました。近年は、ICTを活用した授業実践の推進及び学校経営で著名な先生です。

 新保先生は「ICTを活かした学校経営のコツ」として、大きく次の4つに分けて、経験談を交えお話してくださいました。

1) ICT導入に加えてその周辺を改善する
2) 最先端より日常の改善を目指す
3) ICT導入の目的を見失わない
4)情報の共有を徹底する

第11回
「21世紀型スキルをどう育てるか」
 益川 弘如

第11回 2016年1月30日

「21世紀型スキルをどう育てるか」
 静岡大学学術院教育学領域 准教授 益川 弘如

 益川先生は認知科学の先達である故・三宅なほみ先生に師事され、学習科学、特に協調学習を専門に研究なされている若手の第一人者です。学習のメカニズムと授業形態に関する研究を続け、最近では教員養成にその知見を生かした実践研究も行ってらっしゃいます。

 益川先生はまずはじめに、21世紀型スキルのバックグラウンドの一つである、トランスリテラシーについて説明してくださいました。トランスリテラシーとは多種多様な情報をその人なりに組み合わせて、自分の次の行動や、他の人に提案するための新しい知識を作り上げていくリテラシーのことだそうです。これが21世紀型スキルにも共通する大事な考え方なのだそうです。

 益川先生が監訳を務められた『21世紀型スキル』の原著は、2009年にMicrosoftとIntelとCisco Systemsがスポンサーとなり、各国の研究者やOECD、ユネスコ、IEAなどを集め行われた研究の結果がまとめられています。そこでは、これからの社会で必要な資質・能力を10個のスキルとして再定義されており、それが21世紀型スキルと呼ばれるものです。現在は、この21世紀型スキルをどのようにして学校教育を通して育てていくか、ということが問題となっている段階だというお話でした。

第10回
「全児童1人1台タブレットPCによる5年間」
 土井 国春

第10回 2015年12月5日

「全児童1人1台タブレットPCによる5年間」
 徳島県東みよし町立足代小学校
 教諭 土井 国春

 土井先生がお勤めになる足代小学校は平成22年度から総務省が行ったフューチャースクール推進事業の実証校として、1人1台のタブレットPCをはじめとしたICT環境を構築し、学校でのICT活用の研究を進めてこられました。

 土井先生はまず、足代小学校の「現在の姿」についてお話しくださいました。それによると、現在の足代小学校では、堅実な板書指導やノート指導を通して児童の聞くこと・書くことを活性化し、そうしたアナログの指導と実物投影機やタブレットPCなどのICTを組み合わせることによって従来の教育の中で新しいICTを無理なく活用されているそうです。今回はこうした現在の実践に至るまでの足代小学校の実践の軌跡を沢山伺うことができました。

 足代小学校では、フューチャースクールの実証校になってから数々の先進的な取り組みを行ってきたそうです。例えば、教室に簡易プラネタリウムを作ったり、球体のスクリーンに月を写したり、全国の学校とのテレビ会議やタブレットPCを使った体育の授業での動きの可視化など、指定事業だからこそICTの機能を使えるだけ使って実践を行ってきたそうです。しかし、そうした授業が多分にイベント的であったり、持続可能性が低いこともあったとも仰っており、現在は、全員が授業の中で日常的にICTを活用することこそが「先進」だと考えているとお話くださいました。

第9回
「次の学習指導要領の方向を見据える」
 福本 徹

第9回 2015年10月31日

「次の学習指導要領の方向を見据える」
 国立教育政策研究所 総括研究官 福本 徹

 福本先生は、大阪大学で修士課程を修了された後、民間企業での勤務の傍ら東京工業大学の博士課程に進学され、学位取得後は、国立教育政策研究所に所属されています。現在は、国レベルの21世紀に向けた教育課程に関する基礎研究や、そうした課程に関わる実践校での取り組みについて調査をされています。今回は、次期学習指導要領の方向についてお話しいただきました。

 現在、中央教育審議会では平成29年に告示される予定の学習指導要領への改訂に向けた検討がされていますが、そこでは、これからの時代に必要な汎用的な資質・能力をどう育成するかを中心に議論がされているそうです。現在の社会情勢では、社会の変化が激しく学ぶ対象やゴールが存在しないことなどから、様々な知識や情報を活用して、目の前の問題を異なる他者とともに解決していく汎用的な資質・能力が必要とされているそうです。

 また、汎用的な資質・能力を身に付けるためには、話を聞くだけではなく、実際に使って学んで身に付けることが必要であるとされ、「アクティブ・ラーニング」という能動的な学習方法が重要視され、それを幼小中高から大学教育までどう接続するかについての議論が行われているそうです。

第8回
「マスメディアの仕組みを知ろう」
 堀 美奈子

第8回 2015年9月12日

「マスメディアの仕組みを知ろう」
 慶応義塾大学 研究員/成城大学 非常勤講師
 堀 美奈子

 堀先生は、1988年に日本テレビに入社されて24時間テレビの総合司会を始め様々な分野でアナウンサーとしてご活躍されました。フリーアナウンサーになられた後は、慶應義塾大学の修士課程に進学され、以降、教育現場とメディアの関係について研究をされています。

 堀先生によれば、日本のテレビ局のようにステーション機能とプロダクション機能を併せ持っているのは外国にはあまり例がないことだそうです。そうした、特徴的な機能を持つ日本のテレビ局が現在の社会でどのような役割を果たしているのか、また今後どのような展開をしていくのかの展望について今回はお話いただきました。
 例えば、我々視聴者はテレビを見るときなんとなく安心した気持ちを抱きますが、これは日本のテレビ放送特有のことだそうです。それを堀先生は「テレビのコンビニ効果」と呼ばれていました。日本ではテレビが,一緒に見る人と同じ空間を共有するために視聴されている面があり、特にそれはリアルタイムの番組を見るときに強く感じられるものだそうです。

第7回
「知的財産権をどうやって教えるか」
 村松 浩幸

第7回 2015年7月25日

「知的財産権をどうやって教えるか」
 信州大学教育学部 教授 村松 浩幸

 村松先生は長野県の中学校技術科の教員をされた後、大学で技術教育学、特に知財学習の理論と指導法をご専門に研究され、2015年4月には「知財教育の理論的及び実践的研究と普及啓発」という内容で文部科学大臣から科学技術賞を受賞されました。

 今回のセミナーでは村松先生に「1.著作権制度の概観」「2.著作権の指導法の要点」「3.著作権教育研究の知見」の3つについてお話頂きました。

 「1.著作権制度の概観」では、まず現在の著作権がどのように成立したのかを歴史的な経緯からお話頂きました。著作権はこれまでは「プロの世界」の法律でしたが、インターネットやデジタル技術が発展した現代においては「一般人の世界」の法律になってきているとのことです。また、著作権の理念が、著作物を保護することで著作者のインセンティブを高め、創作の動機付け、文化の発展に繋げることにあることについてもお話頂きました。

第6回
「思考スキルの向上は学力に影響をもたらすか」
 泰山 裕

第6回 2015年5月30日

「思考スキルの向上は学力に影響をもたらすか」
 鳴門教育大学大学院学校教育研究科 専任講師
 泰山 裕

 泰山先生は、大学院生時代から関西大学初等部で行われている思考スキル育成の実践に関わり、理論的な研究をされてきました。2014年からは、鳴門教育大学大学院学校教育研究科で専任講師をされています。

 今回、泰山先生には「思考スキルとはそもそも何か?」や「思考スキルと情報リテラシーの関係」などの研究の背景、そして関大初等部での思考スキル育成の実践を踏まえて子ども達の学力にどのような影響があったかについてお話を頂きました。

 まず、思考スキルとは、授業中に子ども達が行う「考える」活動の中で、様々に使われているその「考え方」のことだそうです。泰山先生は、子ども達が授業の中で「考える」経験をする前に、あらかじめ思考スキルを教えることによって、子ども達に「考える力」を身につけさせることができるのではないかと仰っていました。

第5回
「文部科学省による教育情報化施策の最新動向」
 菅原 弘一

第5回 2015年4月18日

「文部科学省による教育情報化施策の最新動向」
 仙台市教育委員会教育指導課 主任指導主事
 (元 文部科学省情報教育課 専門職)
 菅原 弘一

 菅原先生は仙台市内の公立小教諭を務められた後、市教委情報担当、学力担当指導主事、教頭を歴任され、平成25年度から文部科学省情報教育課に2年間出向されていました。

 今回、菅原先生には2年間の文部科学省勤務で実感された、教育情報化についての教育政策と現場の教育実践の動きについて、両者の立場から経験されたことを踏まえてお話を頂きました。
 菅原先生によると、現在、文部科学省では教育情報化に関して「先導と普及」という2本の柱を元に施策を行っているそうです。「先導」ではこれからどのような環境でどのような学びを進めていくかの実証的な研究を、「普及」では学校単位から地域単位、そして全国展開を視野に入れた、点から面への教育政策を進めているとのことでした。

2014年度開催

第4回
「情報活用スキルと学校図書館」
 塩谷 京子

第4回 2015年3月7日

「情報活用スキルと学校図書館」
 関西大学初等部 教諭/司書教諭 塩谷 京子

 塩谷先生は、静岡県内の公立小学校教諭を務めた後、関西大学初等部の開校に向けて設置準備室から勤務されました。現在は国語教育、図書館教育を専門とされ、思考スキルの育成を主眼としたカリキュラム開発にも取り組んでおられます。

 塩谷先生によると、情報リテラシーは学習の各場面で用いられる「情報活用スキル」の総合体であるとされます。そうした情報リテラシーは私たちが子どもの時には体験していない学びです。そのため、学校ではまだあまり教えられていない現状があるそうです。中でも「情報の整理・分析」の段階は自分の考えを作る方法を学ぶ上で重要な段階です。

 「情報の整理・分析」を自分でできるようになるために、必要な初期指導としては「つなげることの可視化」「図の使い方の理解」「心が動く(楽しい)学び」の3つの要素が重要であるそうです。まずは、物語の登場人物の関係などから始め、スモールステップを踏んでいくことで初めて「情報の整理・分析」を一人でできるようになります。

第3回
「学校放送番組と情報リテラシー」
 宇治橋祐之

第3回 2015年1月31日

「学校放送番組と情報リテラシー」
 NHK放送文化研究所メディア研究部
 主任研究員 宇治橋 祐之

 宇治橋さんはNHK入局後、長年に亘りNHK学校放送番組を制作されていました。1999年から2000年まではアメリカの公共放送局(ワシントンD.C)に赴任され、帰国後には教育の情報化に対応したNHKデジタル教材の開発・制作に携わっていらっしゃいます。

 今回の講演では、学校放送番組を通して「映像がわかる」「映像を使う」「映像をつくる」という3つの観点からお話を頂きました。

 映像はその要素を分解してみると、文章と同じように要素の構成があることがわかります。つまり、文章の段落ごとに意図があるように、映像にも要素ごと意図を読み取ることができます。

 NHKの学校放送番組は、そうした番組の意図と教師が番組を使う意図の相互作用の中で授業は成立すると考えられ、制作されています。そのため、宇治橋さんは学校放送番組を番組単体として捉えるのではなく、授業の相互作用の中で使うことを考えて欲しいと仰っていました。そのため学校放送番組を使う上では、番組を使う前後の授業設計が特に重要になるというお話をされていました。

第2回
「小学校における情報リテラシー教育の実践」
 片山 敏郎

第2回 2014年12月20日

「小学校における情報リテラシー教育の実践」
 新潟大学教育学部附属新潟小学校
 教諭 片山 敏郎

 片山先生は、新潟県の小学校の教諭を努められた後、新潟大附属新潟小に赴任され、同校で情報リテラシー教育の実践を先導なさっております。また、現在ではデジタル教科書学会の会長も兼任され、情報リテラシー教育の実証的な研究の場でも学術的に貢献なさっています。

 片山先生は自身の新潟大附属新潟小の実践を振り返りながら、情報リテラシーを子どもにとって汎用的な資質・能力として身につけさせるためには、
①全ての教科でICTの活用経験を積ませること。その過程で子ども自身が情報リテラシーを生み出す姿を教師がしっかり見つめていくこと
②そして、教師がその良さを発見・価値づけしていくことで、子供自身に情報リテラシーの大切さを自覚させていくこと
の2点が重要になってくると仰っていました。

第1回
「我が国における情報リテラシー教育の動向」
 堀田 龍也

第1回 2014年11月1日

「我が国における情報リテラシー教育の動向」
 東北大学大学院情報科学研究科
 教授 堀田 龍也

 今回の講演では、主に「ICTを活用した教育の実践事例」や「情報を教科としてどう位置づけるか」また「メディアリテラシー教育の今後」について具体的な事例や実践を交えてお話頂きました。学校でのICTの活用としては、ICTでしかできないことをやろうとするのではなく、まずは紙でもできることにICTを使ってみて、それからICTの更に便利な使い方を考えていくことが重要である、ということでした。

 また、情報活用能力の育成が重視される背景を踏まえて、日本での情報教育の取り組みがどのように行われているのかを説明頂きました。情報活用能力はこれまでは各教科の中でそれぞれの教科に合わせた形で教えられてきました。しかし、これから問題になるのはどうやって情報リテラシーのようなジェネラルな能力を教科横断的に教えていくかということである、ということでした。ここでは「情報」を教科として研究している研究開発学校の福岡教育大学附属久留米小学校の事例を紹介して頂きましたが、「方法知」としての情報の学び方を教える事が情報に関するモラルの学びにまで繋がっていくということが非常に印象的でした。